いい女の代名詞「小股の切れ上がった女」の”小股”って何?江戸時代の庶民文化から探る (2/3ページ)
この歩き方は簡単にはできないので稽古を重ねますが、まだ下手なうちは「股が切れない」といいました。
このことから、花魁のように優美な動作や歩き方をする女性を指すのでは、という説です。
着物の褄のことで、立ち居振る舞いのこと永井荷風は「小褄のきりりとした女」を同義として捉えました。褄とは着物の裾 の左右両端の部分のことで、曰く「着物の着こなし上手で立ち居振る舞いが軽快、しかし色気があってしなやかな様子」と説明しています。
単に股のことで、「小」をつけただけ「小股」を大辞林第三版でひくと、「股の部分。また、股に関するちょっとした動作にいう。」とあります。
江戸っ子は、大げさな表現をきらい、小をつけることで少し遠慮がちな表現をすることが多いです。
・小ざっぱり
・小ぎれい
・小ぎたない
…などなど。そのため小股も股そのものを指し、女陰そのものがしまっていい具合だということをぼかして表現したのでは、とも推測されます。
または臀部がきゅっと上がって、帯から下が脚長にすらりと見えたことなのかもしれません。
ふくらはぎがしまっている様子和服姿では足全体がみえることは稀のため、座ったり立ったりするときに着物の裾の隙間から見えるのはふくらはぎぐらいですよね。