海藻の群生地の下には大量の砂糖の山。缶コーラ320億缶相当が保管されている (2/4ページ)
海藻が作り出す糖は、砂糖の主成分である「スクロース(ショ糖)」で、そこにある糖の濃度は、これまで海で計測されたものの80倍も高い。
ここから試算すると、世界の海草の根圏には60万~130万トンもの「スクロース」が存在すると考えられる。これはコーラ320億缶分の砂糖に相当する量だ。
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・海草は微生物から糖を守っている
微生物は、消化しやすくエネルギー豊富な糖が大好きだ。だが海草の根元にある糖は、微生物によって食い尽くされたりはしない。それは地上の植物と同じく、海草もまた地中に、ある化合物を放出して守っているからだ。
ある化合物とは、赤ワインやお茶でお馴染みの「フェノール類」(ポリフェノールとは、フェノール類のうち複数のヒドロキシ基を持つもの)のこと。
健康にいいとされるフェノール類だが、抗菌作用があり、ほとんどの微生物の代謝を阻害してしまう。
これがあるおかげで、海草の根の周囲には御馳走がたくさんあるというのに、微生物はそれを食べることができない。
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・海草はなぜ糖を捨てるのか?
なぜ海草はこれほどの糖を作り、地中に捨てるのだろうか? それでいて糖を微生物から守っているのだから不思議な話だ。