寄生虫が静脈に入り最悪死に至る。甲府盆地で繰り広げられた奇病「日本住血吸虫症」との100年にわたる戦い (3/4ページ)

Japaaan

日本住血吸虫の幼虫は「ミランジウム」と名付けられ、それが皮膚感染できる第2形態である「セルカリア」になって人間に感染するのだと考えられました。

ならば、ミランジウムからセルカリアになるのを防げばいい。どうするとそれを止められるか? 実はミランジウムは、一度「ミヤイリガイ」という珍種のカワニナに寄生して、そこでセルカリアに変貌するというステップを踏んでいたのですが、ついにこの事実が突き止められました。

ミヤイリガイ(Wikipediaより)

このようなミヤイリガイのような存在を「中間宿主」といいます。このミヤイリガイの体内からはセルカリアが発見され、さらにその生息地も、日本住血吸虫症の発症地域と完全に一致しました。

敵の正体が分かりました。ならば、ミヤイリガイを駆除すればいいのです。当時、甲府盆地にはミヤイリガイが大量に生息していたのですが、住民は根気強く一匹一匹駆除していきました。

単なる人海戦術にとどまらず、子供たちには絵本を作って啓蒙活動をし、生石灰が殺貝剤になると分かれば散布し、水路をコンクリートにすることで貝が生息しにくくするなど、あらゆる対策が採られました。

このような作業を地道に続けていった結果、患者は減っていき、1996(平成8)年には終息宣言が出されました。

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