男の愛なんかアテにならない!平清盛の寵愛を受けるも運命を狂わされた白拍子の女性たち (3/4ページ)
「歌舞など一つ、ご覧ぜよ」
「うるさい、出ていけ!」
清盛によって門前払いにされた仏御前を、妓王はかばってあげたのです。
「どうかあの者にも、お慈悲を垂れて下さいまし……」
「まぁ、そなたが申すなら……」
仕方なく入れてやった清盛ですが、今度は仏御前に目移りしてしまい、妓王なんてもうそっちのけ。すっかりお声もかからなくなってしまいました。
下手な情けが身の仇に……妓王の悔しさはもちろんのこと、仏御前だって申し訳なくて気が気ではありません。
「相国(しょうこく。清盛)様、どうか妓王にもお声を……」
しかし、もう飽きてしまった女なんかどうでもいい清盛は、今度は話を聞いてくれません。
「うるさい、あんな女はそなたの世話役がお似合いだ!」
という訳で、清盛は妓王を仏御前の世話役にしてしまいました。ほんの少し前まではあれほど熱烈に愛してくれていたのに……うんざりした妓王は、その想いを歌に詠みます。