日本人ならやっぱりお米を!病弱だった将軍・徳川家光の乳母・春日局が考案した「七彩飯」とは

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日本人ならやっぱりお米を!病弱だった将軍・徳川家光の乳母・春日局が考案した「七彩飯」とは

「父や祖父とは違い、余は生まれながらにして将軍である。心して奉公せよ」

江戸幕府の第3代将軍・徳川家光(とくがわ いえみつ)は、征夷大将軍の就任に際してこう言い放ったと言います。

徳川家光(画像:Wikipedia)

まるで将軍になるべくしてなったような威風堂々ぶりですが、その幼少時(幼名:竹千代)は病弱で食も細く、弟の国松(後の徳川忠長)に家督を奪われかねないほどだったとか。

このままではいけない。竹千代の乳母であった春日局(かすがのつぼね)は、その食生活から改善することにしたのでした。

さて、どんな工夫をしたのでしょうか。

ただお命を繋ぐものの第一は飯なり……とにかく米を食べて欲しい

「またですか……」

竹千代の食事が終わり、下げられた食膳を見て春日局は嘆息します。おかずはいくらか食べられているものの、ご飯にはほとんど箸をつけていません。

「昔から『ただお命を繋ぐものの第一は飯なり(ご飯こそ生命力の源である)』と言います。おかずをいくら食べたところで、ご飯が進まなければお身体は弱いまま。何とかしなければ……」

思案した春日局は、老中の松平伊豆守信綱(まつだいら いずのかみのぶつな)に命じて「七彩(なないろ。七色)飯」を用意させました。

「こりゃ食べやすくていいや。採用!」「あと6種類か……」七彩飯の開発中(イメージ)

「おかずは沢山あるから選べますが、ご飯が一種類では体調によって食べられない日もあるでしょう。だからご飯も、食べやすいものから食べ応えのあるものまで七種類用意するのです」

さっそく次の日から導入された七彩飯。そのレパートリーがこちら。

赤小豆飯(あかあずきめし)

赤小豆を一緒に炊き込むことで、豆の甘い香りや味、そしてお赤飯のような色が食欲をそそります。

ビタミンB1は糖質の燃焼を助けるので食べたものがすぐエネルギーに変わり、アグレッシブに活動してまた腹が減って食欲増進……という好循環に。

粟飯(あわめし)

ご飯に粟をまぜて炊き込んだもの。粟には白米に比べて約7倍の食物繊維、約6倍の鉄分、約5倍のマグネシウム、約3倍のカルシウムとカリウムが含まれます。

黄色く小さな粒のプチプチも、食感を楽しめるポイントですね。

茶飯(ちゃめし)

抹茶を煎じた汁でご飯を炊いたもの。お茶の香りと含まれるカフェインが気分をすっきりさせてくれるとか。

引割飯(ひきわりめし)

文字通り、米粒を粗く砕いて(引き割って)から炊いたご飯。こうすることで食べやすく、消化もよくなります。

乾飯(ほしいい)

一度焚き上げたもち米を乾燥させ、臼で挽いてから熱湯をかけたもの。インスタント食品の先駆けみたいなご飯ですが、一度乾燥させることで中まで熱湯が含まれてふっくらとした食感に仕上がるのだとか。

麦飯(むぎめし)

現代でもお馴染みの麦飯。麦にはビタミンB1やビタミンB2、鉄分やカルシウム、食物繊維が豊富に含まれています。

麦粒の袴(真ん中の黒い線)も食感が楽しめてお得です。

湯取飯(ゆとりめし)

炊いたご飯を水洗いして粘り気を流し、今度は蒸し上げることでサッパリ軽い食感に。こうすることで、食欲がない時にも食べやすくなります。

雑穀をまぜるなど、創意工夫で食卓に彩りを(イメージ)

……以上七種類。七彩と言っていますが、ここでは色素ではなく食卓に「彩りを添える」意味と解釈しましょう。

これを毎食々々用意するのはとても大変ですが、だからこそ竹千代もその心遣いに感激。その思いに応えようとモリモリ箸を進めたことでしょう。

機会があれば、ちょっと自分でも試しに作ってみたいですね。

終わりに

ただお命を繋ぐものの第一は飯なり……日本人にとって、やはり欠かすことの出来ないお米。

春日局(画像:Wikipedia)

昔から身土不二(しんどふに。その土地に生きる者は、その土地で穫れた食べ物が最も身体に合っている)と言うように、日本の土地で穫れた米が日本人の身体に合っているのです。

食生活の多様化によって米離れが進む昨今ですが、かつて竹千代を立派に育て上げた春日局の知恵を見習って、ご飯食を見直したいと思います。

※参考文献:

永山久夫『武将メシ 戦国時代、「食」はひとつの武器であった』宝島社、2013年3月

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