残業削減は管理職殺しか?「上司に負担が集中」を避けるためにすべきこと (2/3ページ)
その一つに「長時間労働の是正」がありますが、10年前と比べると極端な長時間労働は減ってきたような気がします。お仕事をされていて色々な会社を見るかと思いますが、大槻さんの感覚としてはいかがですか?
大槻:「働き方改革」で労働時間の上限が作られて、時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満と決められました。ただ所定労働時間以外に月に100時間働く人は全体でみると少数派なので、「これは困る」となった会社は少なかったはずです。
ただ業界や会社の規模によるところもあります。大きな会社で競争が激しいところだと月300時間くらい働いている人はいたでしょうね。今はさすがにそこまで働く人はいないでしょうけど。でも、「社内フリーランス」という労働時間の上限がない雇用契約を利用して名目上の労働時間を引き下げている可能性もありますからね。そのあたりはまだ実態が見えていない部分が多いです。
――本の中でも書かれていますが、「長時間労働の是正」はどうしても管理職に負担が集中しやすいですよね。部下を早く帰すために管理職が潰れてしまったら意味がないわけで、そうならないように会社としてどんなことができるのかというところをうかがえればと思います。
大槻:単純な話ですけども、まずは「業務の棚卸」をやっていただきたいです。これをやることで、ほとんどの場合「なんでこんなやり方をしているの?」とか「なんでこの人がやっているの?」という業務がたくさん出てくるはずです。そういった非効率な部分を洗い出して外注すべきところは外注したり、ITツールを入れるべきところは入れると、個々人の労働時間はだいぶ見直されます。
上司がやるべきはこの棚卸と効率化なんです。やってみるとわかりますが、どんな職場でも無駄なことをやっていますよ。部下を早く帰した分の仕事を上司が抱え込むのではなく、棚卸をして業務の中身をまずは見極めることが大切です。
――コロナ禍でテレワークが一気に広がりました。便利なのはまちがいないのですが、部下の労働管理の難しさや既存の評価制度との相性の悪さも指摘されています。