「客は選び、捨てろ」商売繁盛に不可欠な成功法則 (2/4ページ)

新刊JP

弊社の例でいえば、若返りに特化したサロンと決めたから店の屋号を『A・NO・KO・RO・NO・KI・MI』(あの頃のキミ)にして、そこで販売する化粧品のラインナップを『タイムスリップシリーズ』と命名しました。

既存の店舗の場合は、自店の想いをキャッチフレーズやエレベーターメッセージに落として、名刺やHP、ニュースレターや店頭のメッセージボード等、至るところに散りばめる。

ちなみにエレベーターメッセージは、口コミを広めていくのにも有効なツールです。これは文字通り、1階からエレベーターに乗り込んで2階につくまでの間に自店の特色を簡潔に語れるところまで研ぎ澄ますことが重要です。そのくらい短くて強いメッセージがないと口コミは発生しないので。

――「顧客ニーズ」という言葉の曖昧さも指摘されています。「明確なニーズを持っているお客は多くない」というのはその通りだと思うのですが、なぜビジネスの世界ではこの言葉が絶対視されるのでしょうか。

中谷:ビジネスにおける大きな括りとして、時代に応じての大まかな顧客ニーズは確かに存在するんです。

たとえば戦後のギブミーチョコレートな時代と今のような飽食の時代では人々の求める甘さは違います。老舗和菓子屋の二代目や三代目がそのことに気付かず、何かとヘルシー志向が求められる現代に砂糖の塊みたいなお菓子ばかり作っていたら、それは市民権を得られずに店を潰すわけですよね。おそらくこれが長く絶対視されてきた顧客ニーズという言葉の正体です。

――時代が求めるものという意味の「顧客ニーズ」は存在している。

中谷:そうです。でもそのことと、その道のプロフェッショナルとしてお金をいただいている僕らが、素人であるお客様たちの要望を全て受け入れて「御用聞き」に落ち着こうというのは話の次元が違います。そういう要望をすべて「顧客ニーズ」だと考える必要はない。

実際のところお客の要望に応えてれば楽なんですよね。頭を使わなくていいし、いざとなったらお客の要望のせいにできますから。でも、それはプロじゃないと思うんですよ。プロだったらラクしないでお客に提案しないといけないと思います。

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