火星から持ち帰ったサンプルが地球を病原菌で汚染する危険性を指摘する科学者 (2/6ページ)
これを受け取って火星軌道まで運ぶ小型ロケット「MAV(Mars Ascent Vehicle)」の試験も順調に進んでいる。
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・火星のサンプルに潜む危険性が指摘される
だが、1つ大きな問題が残されている。それは地球に持ち帰ったサンプルを「どう扱い、どの程度の予算をかけるのか?」ということだ。
こうしたサンプルに、地球の生物圏を汚染する恐れがある病原菌が潜んでいる可能性は否定できないのである。
NASAの現在の計画では、地球上空まで運ばれてきた火星サンプルは、円錐形のカプセル(Earth Entry System)に積載されて地球大気圏に突入する。
EESはパラシュートを使うことなく、そのまま米ユタ州のとある乾燥湖に落下。カプセルは時速150キロの衝撃に耐える設計なので、中のサンプルはしっかり守られる。これを地上で回収し、最後は専用の施設に持ち込まれて保管される。
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NASAは、複数の専門家パネルの意見をもとに、火星のサンプルが地球に与えるリスクは「きわめて低い」と評価している。
だが、これに同意しない人たちもいる。今年募集されたパブリックコメントには、170件の意見が寄せられ、そのほとんどが否定的なものだったという。
「気でも狂ったか? ダメどころか、絶対にダメだ」「地球全体を危険にさらす国家がどこにある」「NASAの試みが宇宙コミュニティ以外にも知られるようになれば、確実に反対意見が増える」等々、かなり強い調子で非難するものもあった。
また、ほとんどの意見に共通するのが、サンプルを地上に持ち込む前に、まず地球外で安全性を確かめるべきというものだ。