火星から持ち帰ったサンプルが地球を病原菌で汚染する危険性を指摘する科学者 (3/6ページ)
もちろん理性的な意見ではある。だが問題は、それをどの程度厳格に、どの程度の予算をかけて行うかということだ。
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image credit:NASA
・すでに火星の岩石は地球に飛来しているので心配ないという声も
こうした懸念に対して、著名な宇宙生物学者スティーブン・ベナー氏は、火星の岩石サンプルはそれほど危険なものではないだろう話す。
その根拠は、地球にはすでに火星の岩石が定期的に落下していることだ。推定では、火星から弾き出された岩石は、年に500キロも地球に落下している。
こう説明するベナー氏自身も、5グラムほど所有しており、机に飾ってあるという。もし本当に火星の岩石が危険なものならば、地球の生物はすでに汚染されているはずなのだ。
ベナー氏はこう語る。
地球に生命が誕生してからの35億年間、無数の岩石が同じように旅してやってきた。ちなみにベナー氏もまた、NASAの専門家パネルに参加する1人だ。
「もし火星に地球の生物に大打撃を与えかねない微生物が存在するなら、すでにそうなっているだろう。NASAがさらに数キロ持ち込んだところで、大差ないはずだ
このことに触れながら、NASAは罠にはまって身動きが取れなくなっていると説明する。本来問題でないことであっても、誰もが納得するまで際限なく議論しなければならなくなっているという。
その結果、「NASAは生命探査を行うことすらできない」と、ベナー氏は言う。