地中に潜んで罠をしかける新種の食虫植物が発見される (2/3ページ)

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 研究グループの1人、英ブリストル大学のミカエル・ゴロス博士は、「地下空洞は湿度などの環境が安定しており、乾季にはエサが多いのだろう」と仮説を立てている。

 ネペンテス・プディカの主な獲物は、ほかのウツボカズラ属の仲間と同じくアリだが、面白い発見もあったようだ。

 捕虫袋の中には、蚊の幼虫や線虫のほか、新種と見られるミミズの類など、多くの生き物が見つかっているのだ。

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地下に特化した新種のウツボカズラ / image credit:Martin Dancak・●
 ネペンテス・プディカはボルネオ島の固有種で、北カリマンタン州メンタラン・フル地区西部にある地域でしか知られていない。

 狭い範囲にしか分布しておらず、個体数が少ない上に、生息域が失われている可能性もあることから、IUCNレッドリストの「絶滅寸前種」として、予備的に保全されるための条件を満たしている。

 研究グループのウェウィン・トジャスマント(Wewin Tjiasmanto)氏は、この発見は「インドネシアのボルネオ島が世界の生物多様性のホットスポットとして重要」であることを示しており、島の自然保護にとっても大切なことであると語る。

 「この個性的な食虫植物の発見が、ボルネオ島の熱帯雨林の保全につながることを願う。原生林はヤシ油のプランテーションに変わっているが、これを防ぐか、少なくとも遅れさせることになれば」とのことだ。

 この発見は『PhytoKeys』(2022年6月23日付)で報告された。
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