地中に潜んで罠をしかける新種の食虫植物が発見される (1/3ページ)
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食虫植物のウツボカズラは、葉が変化してできた壺のような袋状の捕虫袋で罠(’落とし穴)を作り、中に入って来た虫を消化液で溶かし栄養にする。
一般的には地上で罠をはっているのだが、なんと地面の中に罠をしかけていたウツボカズラのニュータイプが発見された。
インドネシア、ボルネオ島、北カリマンタン州の熱帯雨林の土の中で発見され、その捕虫袋の中にはたっぷりと獲物が詰まっていたという。
・地中で獲物を捕らえる新種のウツボカズラ
この新種は「ネペンテス・プディカ(Nepenthes pudica)」と命名された。160種の食虫植物が分類されるウツボカズラ属の仲間だ。
このウツボカズラは特殊な地下茎を形成し、小さくて白色の葉緑素のない葉を付ける。捕虫袋はこの葉よりはるかに大きく最大11cmで、赤みがかった色をしている。
捕虫袋は地面の下に伸びていて、地中で暮らすアリ・ダニ・甲虫といった獲物を捕らえるのだ。
このように地中に特化したウツボカズラが確認されたのは、今回が初めてであるそうだ。
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新たに発見されたネペンテス・プディカ(Nepenthes pudica) / image credit:Dančak et al ., doi: 10.3897/phytokeys.201.82872.・乾燥した高地ゆえの適応進化か?
地中の獲物を狙う新種のウツボカズラだが、生息するのは標高1100~1300メートルの比較的乾燥した山の尾根だ。
研究グループは、この生息環境ゆえに地下のトラップが進化したのではと推測する。