コインでしか知られていなかった失われた古代都市「ナトウニア」を山中で発見した可能性 (2/4ページ)
この遺跡からは、全長4キロに及ぶ城壁だけでなく、兵舎らしき建物や、岩のレリーフ、宗教施設などがあるふたつの小さな集落も発見された。神殿は、ゾロアスター教のイランの女神アナヒタに捧げられたものではないかという。
「これほどの規模の要塞建設を計画・建設・維持するために費やされたに違いない相当な労力から、当時の統治活動の様子がうかがえます」とブラウン教授は語る。
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A) ラバナの「聖域」、B) 階段、 C) 鉄の矢じり、 D) 祭壇 (スケール = 1m) / image credit:Michael Brown, Kamal Rasheed Raheem, Hashim Hama Abdullah, Antiquity Publications Ltd., DOI: 10.15184/aqy.2022.74・失われた都市ナトウニアである可能性
遺跡の壮大さと複雑さから、ここはメソポタミア北部の古代王国アディアベネ王朝の始祖ナトウニサールに捧げられた、失われた都市ナトウニア(別名ナトウニサロケルタ)ではないかと研究者たちは考えている。
これまで、この都市の存在をほのめかす唯一の証拠は、現在のトルコ南東部ヌサイビンから出土した、紀元前1世紀ごろのコイン数枚しかなかった。
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トルコ南東部のニシビス(現在のヌサイビン)で出土した、文字や記号が刻まれた7枚のナトウニア硬貨のひとつ / image credit:The Trustees of the British Museum.
今のところ、あくまでも推測の域でしかないが、このラバナ・メルクリが、長く忘れられた都市ナトウニアである可能性を示す手がかりがいくつかあるという。