バリ島からオーストラリアにマクドナルド商品を密輸しようとした旅行者に25万円の罰金

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「え、ただの朝マックだよ!?これから食べるんだよ?」では済まされない罪だった。
オーストラリア当局が、インドネシアのバリ島から輸入禁止の農産品を持ち込もうとした旅行者に、約25万円の罰金を科したと発表した。
その禁止品とはマクドナルドのブレックファストメニューで、食べようと思って買ったものが、密輸品であるとして高額な罰金を命じられたのだ。
高すぎ!と思う人もいるだろう。だが同国の反応は「同情の余地もない」というほど冷ややかだ。
自国の牛産業を守るため厳格な防疫対策で、口蹄(こうてい)疫ゼロの維持につとめる同国において、持ち込み規制などのルールを軽視する旅行者は国をおびやかす無法者以外の何物でもないからだ。
・持参した朝マックが密輸品!?税関で呼び止められた旅行者
8月1日、インドネシアのバリ島からオーストラリアに入国しようとしたバックパッカーが、密輸の疑いがあるとしてオーストラリアのダーウィン国際空港の税関で呼び止められた。
防疫対策用の探知犬のジンタが、その人物が所持する黄色いアーチのマークがついた違法な品をいち早く嗅ぎつけ、職員に知らせたのだ。
新たに配属されたバイオセキュリティ探知犬ジンタとハンドラー
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メディアによると、問題の品はマクドナルドのブレックファストメニュー(朝マック)で、卵とソーセージ入りのマックマフィン、ハム クロワッサンだったという。
その旅行者はマクドナルドで購入したそれらを荷物に入れたまま、3時間かけてダーウィン空港に到着したところだった。
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・ファストフードの持ち込み申告をせず罰金25万円!
メディアによると、その旅行者は誤解を招くまぎらわしい書類を提出し、ファストフードの持ち込み品があるという申告を適切に行わなかった。
それが無知によるものならまだしも、この人物は罰金が科されることを知っていた。つまり入国時に防疫対策の妨げになる恐れがある農産品を申告する規則を故意に無視したのだ。
よって罰金として科せられた2,664オーストラリアドル(約25万円)は、史上最も高額なマックの値段の1つになりそうだ。ちなみにその額面はオーストラリアとバリ島の往復航空券に等しいそうだ。
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Passenger fined for undeclared McMuffin・口蹄疫の対策に従わない旅行者は同情の余地なし
オーストラリアの国境当局は、牛や豚などの家畜の感染症である口蹄(こうてい)疫が国内に広がる懸念から警戒を強めており、特に流行中のインドネシアからの渡航者には、靴の洗浄か破棄の2択を迫るほどの厳戒態勢をとっている。
この件についてオーストラリアのワット農業担当相はこうコメント。
罰金はバリ島への航空運賃の2倍ですが、我が国の対策に従わないと決めた人々に同情できません。最近では見つかり次第逮捕されますよ。
オーストラリアは口蹄疫が無い国であり、我々はそれを維持する考えです。バイオセキュリティはジョークではありません。雇用、農場、食料を守り、経済の支えるものです。
旅行する乗客は、すべての防疫対策に従いオーストラリアへの入国条件を満たしているか確認する必要があります。
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・耳を傾けず肉製品を持ち込む旅行者への厳罰
ワット農業担当相はかねてより「口蹄疫に感染すれば農業および産業に深刻なダメージになる恐れがあり、すべての人がこのリスクを受け止めねばならない」と述べている。
すべきことを人々に学んでもらうため、さまざまな分野からの助言を受けて対策を講じているが、旅行者の誤った行為がいまだに発覚することはとても遺憾であり、憂慮しています。オーストラリアに行く人は、肉製品の持ち込みに留意しなければならない。オーストラリアの農林水産省によると、真空パックを含め缶や瓶に入った品なら問題ないが、それ以外の肉の輸入は厳禁で対象国はニュージーランドを除くすべての国だという。
こちらからの呼びかけに耳を傾けない方が一定数いる。厳しい罰金はそのためにあります。
たかがマックされどマック。口蹄疫については各国も感染対策を講じているが、牛産業が主流のオーストラリアにおいては、わずかな申告漏れも断じて許されない。
References:unilad / boingboing / newsなど /written by D/ edited by parumo
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