ティラノサウルスは噛む力と引き換えに極小の目になった (2/3ページ)

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 さらにティラノサウルスの祖先にあたる獣脚類(じゅうきゃくるい)のように、古い種になると眼窩がより円形である傾向もみとめられた。こうしたことは、大型肉食恐竜の眼窩が進化によって狭くなったらしいことを示唆している。

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ティラノサウルスの頭部と頭蓋骨の再現モデル。左) 眼窩の大きさを忠実に再現したもの、右) 眼窩を円形にして、目を大きくしたもの/Credit: Dr Stephan Lautenschlager, University of Birmingham ・眼窩が狭いほど強く噛める
 このように眼窩が狭く進化した理由を知るために、その形状が咬合力(こうごうりょく:噛む力)に与える影響がシミュレーションされた。

 すると鍵穴のような眼窩を持つティラノサウルスの頭蓋骨は、噛み付いたときに変形しにくいことが判明した。

 眼窩が狭いほど、その後ろにある頭蓋骨の頑丈な部分に沿って力が分散されるため、受ける負荷が軽減されるのだ。

 「有限要素解析を用いた生体メカニカルモデリングは、この形状の場合、頭蓋骨をさらに補強することなく、食べるときの負荷を軽減・消散させることを明らかにしている」と、研究論文で述べられている。

 その反面、そこに収められる眼球は小さくなる。シミュレーションモデルよれば、円形眼窩と鍵穴眼窩とでは、収納できる眼球の体積に7倍もの開きがあったという。

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噛んだ時に頭蓋骨にかかる負荷をシミュレーションしたもの。
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