30年間指名手配の男が逮捕 逃走中、28本の映画に出演し警察役を演じるなど大胆行動も (2/3ページ)

リアルライブ



 2020年、男が指名手配された州であるハリヤーナー州の首相が過去の犯罪に対する調査の強化を実施。男の犯罪についても厳格に調査されることになった。2022年の5月頃、警察は男が妻らと住んでいたウッタル・プラデーシュ州を訪れ、男のことを知っていると思われる50〜60代の人に聞き込みをし、いくつかの手がかりを得た。また警察は男のスマートフォンの位置情報を入手することに成功し、男の住所を突き止めた。警察は男に接触するまで時間をかけて慎重に捜査を進め、2022年7月に男は逮捕された。警察は男が牛乳を買うために家から出たところを確保したそうだ。

 なお、逮捕前の結婚中に、男は一度窃盗の疑いで逮捕されたことがあるそうだ。男の妻は事件当時のことについて『BBC』に明かしているが、妻によると、結婚から数年後に男の元妻が突然現れ、過去の結婚歴が発覚したという。妻は男の結婚歴について全く聞かされていなかったため「裏切られた」と感じ、以降、けんかが絶えなくなった。2007年に男は家を出て行ったがその7年後に再び家に戻った。その際、男は窃盗の疑いで逮捕され67カ月間刑務所で過ごしたと妻に明かした。逮捕されたにもかかわらず警察が指名手配犯だと気づかなかったのは、当時警察の過去の記録がデジタル化されておらず、過去の事件に関する共有がほぼできていなかったためである。妻は男が逮捕されるまで、指名手配犯だったことを知らなかった。

 このニュースが世界に広がると、ネット上では「男は真のうそつき」「30年間も捕まらなかったことが驚き。警察のシステムが問題だし、まだ多くの犯罪者がインド中にいると思うと怖い」「指名手配犯の情報が共有されていないなんてことがあっていいのか」「映画に出演するとは自分はもう捕まらないと確信していたのだろう」「過去の犯罪が見直される機会があってよかった」といった声が挙がっていた。

 罪を犯した男が悪いのは紛れもない事実だが、男を約30年もの間野放しにした警察にも問題があると言わざるを得ないだろう。
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