シュモクザメの頭部はなぜ、ハンマーみたいな形になっているのか? (4/5ページ)
こうした変化を「自然選択」や「自然淘汰」という。しかしシュモクザメの事例に見られるように、そのようなイメージは必ずしも正しくない。
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左は従来の仮説に基づくシュモクザメの進化。DNA解析からは、実際には突然大きなハンマーが出現し、徐々に小さくなっている(右)ことが判明した / Gavin Naylor, CC BY-ND
ひどい遺伝的欠陥や突然変異のせいで現れた普通なら異常や奇形とされるような特徴が、偶然にもとんでもなく生存に有利だったりすることがある。
そうした異常のせいで、生きる機能や子供を作る機能が妨げられることがなければ、その特徴は子供たちに受け継がれる。
ネイラー氏らは、まさにこれがシュモクザメで起きたのだと考えている。
現生するシュモクザメで最初期のものは、じつは一番幅広のハンマーを持つインドシュモクザメだった。
しかし自然選択の結果、ハンマーは段々と小さくなっていった。一番新しい種は、ハンマーの間隔がもっとも狭いウチワシュモクザメだ。