「墨田区業平」の由来はやっぱり歌人・在原業平?複数の由来説と伝承が産まれた経緯 (2/3ページ)
しかし、その言い伝えそのものの真偽は不明で、信憑性が薄いとする説は、他ならぬ古今和歌集に載っている業平の辞世の句を根拠としています。
その句は「ついに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを」というものです。
普通に考えて、今にも船が沈んで溺死しようとしているところで、このような句をゆっくり詠むのは不自然ですね。
また、業平塚があったとされる南蔵院には、『江戸名所記』とは異なる内容の伝承が残っていました。
それによると、隅田川で舟遊びをしていた業平の近くで船が転覆し、多くの人が亡くなってしまいました。業平はその人々を弔うべく塚を築き、法華経を写経して塚に納めます。この塚こそが業平塚である、というのです。
南蔵院の近くに架けられた橋が「業平橋」と名付けられたのも、これに由来しているといいます。