地球には 20,000,000,000,000,000匹 のアリがいる。その重さは野鳥と哺乳類を合わせたよりも重い (2/5ページ)
だが、彼らがどのくらいピンチにあるのかを知るには、まず基準となる状態を把握しておかねばならない。
アリの現状の数を知ることは、劣化する環境の中で彼らの状況を把握するため大切な基礎データとなるのだ。
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・世界中から集めたデータをもとに正確なアリの総数の推定
高度な社会的生活を営み、ほぼあらゆる生態系と地域に生息するアリは、1万5700種以上の種と亜種がおり、まだ学名がないものもある。
そんなアリの数を推測した研究者は過去にもいたが、それはあくまで推測で、体系的で証拠に基づく調査が行われたことはなかった。
そこで今回、香港大学のグループは、これまでに世界中でなされたアリの研究489本をもとに、証拠に基づいて実際にアリの個体数を推定してみることにした。
そうした研究の範囲は全大陸で、森林・砂漠・草原・都市など、アリの主な生息域はすべて網羅されている。
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・世界には2京匹のアリがいる、総重量は1200万トン
その結果が、冒頭で述べた「2京匹」という数字である。これは保守的な推定だが、それでも従来の推定より2~20倍は多い。
従来の推定は、アリは全世界の昆虫の1%を占めるという仮定を前提に行われていた。しかし今回のデータは現地で実際にアリを捕獲して計測されたものなので、より信頼性が高いものだ。
またアリの重さは、炭素に換算して推定された(生物の質量計測では一般的な方法)。