チェルノブイリの黒いカエルが適応進化の過程を明らかにする (2/4ページ)
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調査を開始してすぐ、損傷した原子炉のすぐそばで、非常に珍しい「イースタン・ツリー・フロッグ(Hyla orientalis)」が発見されたという。このカエルは通常明るい緑色だが、その個体にかぎっては体が真っ黒だったのだ。
多くの生物の黒は、「メラニン」という色素によるものだ。この色素は紫外線や放射線のエネルギーを吸収・放散して、その悪影響から細胞を守ってくれる。
さらに細胞内のイオン化した分子(活性酸素など)を取り除いてもくれる。おかげで放射線による細胞のダメージは軽減される。
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イースタン・ツリー・フロッグのオス。2019年に立入禁止区域外で発見された個体 / image credit:German Orizaola・放射線汚染が酷かった地域ほど黒いことが判明
研究グループはその後も、2017~2019年にかけて、カエルの色の調査を進めている。
対象となったのは、ウクライナ北部の12ヶ所だ。各地域の放射線汚染レベルはまちまちで、地球でもっとも汚染された地域もあれば、チェルノブイリの立入禁止区域から外れた地域もあった。
そこで200匹以上のツリーフロッグを調べたところ、立入禁止区域の個体は他の地域よりも体がずっと黒いことが明らかになったという。2016年に見つかったカエルのように、真っ黒なものもいた。