親が「子どもは純粋だから嘘をつかない」という考えを捨てるべき理由 (2/3ページ)
これは鬼木教授が実際に経験したことも含まれているのでしょうか。
鬼木:ほとんどが私の実体験に基づいていると言ってもいいと思います。自分の子育てにおける経験だけでなく、保護者会やPTA活動、ママ友、パパ友とのやりとり、そして、大学での学生との会話、ソニー時代の後輩との談義、学会での意見交換など日常のちょっとした対話から多くのヒントを得ています。悩み相談も数多く受けますが、そのような話も大いに参考にさせていただきました。
――子どもを信じたい気持ちはあるものの、なかなか現実は思った通りにいかないものです。子どもを信じるための秘訣を教えていただければと思います。
鬼木:まず、「子どもは純粋だから嘘はつかない」と思っているならば、その考えを捨てることです。よく思われたい、怒られたくないという気持ちが嘘をつかせることはよくある話ですし、こうあってほしいという気持ちが妄想となり嘘になってしまうこともあります。信じるのではなく、共感することが大切で「何を話したか」より「なぜそう考えたのか」「どこに興味があるのか」を聞いてあげることが重要です。
また、子どもの行動にイライラするのであれば、それは親が子どもを思った通りにしようとしているからなのかもしれません。ロボットではないので、子どもは親の思った通りになるはずがありません。むしろ、思った通りにいかないから子育ては面白いと感じてもらえれば対応は大きく変わると思います。
――夫婦の間で子育てへの意見が違っている場合はどうすればいいのでしょうか? 鬼木:夫婦でも性格や考え方が同じではないので、子育てに対する意見が違うのは当たり前です。また、どのように育てるのが正解かどうかも簡単に結論が出るものではありません。大切なのは、夫婦間でなぜそうしたいのか、その思いの強さを知ることです。話してみると、大事なポイントは別のところにあり、あっさりと落としどころが見つかることもありますし、思い入れの強さがわかり、納得したうえで意見を取り入れられることもあります。お互いの立場や背景を少しでも理解する姿勢が重要だと思います。