起業の成功を妨げる 日本人特有の「借金忌避体質」 (2/4ページ)

新刊JP

――奥さんの側に借金に対するまちがった刷り込みがあるということですね。

田原:そうですね。たとえばその奥さんの両親が昔ビジネスをやっていて、借金で生活が苦しかったとか、そういう記憶から借金に対して否定的なイメージがあったり。

あとは、親族の家に行って起業の話が出た時にポロッと「借入をする予定なんだよね」と言った途端に、そんなこと一言も言っていないのに担保を取りに来たんだと親族が勘違いするパターンもままあります。

ただ、それで借入を断念した結果、タイミングを逃してしまって、借りたお金で成長させられたはずの事業を成長させられず、にっちもさっちも行かなくなって逆に変な借入に手を出してしまうパターンは本当に多い。

――それでは本末転倒ですね。

田原:問題は創業時というタイミングを逃して、業績が良くない状態だと借りたくても借りられないことです。あの融資金があればもうちょっと成長できて次の出資も受けられたのに、ということはあり得る話なんです。

――無借金経営信仰についても指摘されていましたね。

田原:無借金経営も良し悪しなんです。たとえば任天堂の経営者が「うちは無借金経営です」と言ったら、「無借金でそこまで成長したのはすごいですね」となるのですが、町の小さな会社の社長が同じことを言っても「借金していればもっと成長できたかもしれませんね」となる。

これも「借金=悪」と捉える人が多いので、「無借金=悪い部分がない」と考えるんでしょうね。ただ、銀行と取引実績を重ねて関係を維持することは、会社にとって大事なことなんです。

一度ある会社から相談を受けたことがあるのですが、その会社は手元資金が400億円あって、それに加えて銀行から融資も受けていました。ただ会社の規模的に400億円あれば融資されたお金は使わないので、「金利が高い」と言って返済してしまったんですね。その時に「もう使わないから返すわ」という感じで、銀行員への態度が悪かったこともあって、その会社は銀行からの評価が下がってしまった。

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