どんなに腹が立っても、人を殺すな!北条重時(義時・三男)の説いた鎌倉武士のアンガーマネジメントとは? (3/3ページ)
だからひとまず何はなくとも、相手の身柄を第三者(しかるべき当局)に引渡し、じっくりと取り調べてもらいましょう。
その上で何の罪に当たるのか、あるいはモラルに反するのかを客観的に判断した上で、その落ち度に見合った処分を下すのです。
「確かにその通りだけど、いざ我を忘れてしまったら、そんなことは出来ないよ」
であるならば、相手を斬ろうと刀に伸ばすつもりの手を自分の両眼にもっていき、自分の視界をふさいでしまいましょう。
競走馬じゃありませんが、急に視界が狭まったりふさがったりすると、不思議と落ち着く(少なくとも、闘争心は大きく削がれる)ものです。
隙を見せたら相手に斬られるんじゃないかと心配なら、ちょっと顔を背けて相手の位置を視界の端に移動させるだけでも違います。
とにかく斬るのは待って下さい。よく「怒りの持続時間(感情のピーク)は6秒」などと言われる通り、深呼吸するなり相手と距離を(物理的に)あけるなどしてやり過ごしましょう。
それが相手はもちろんのこと、何よりあなたの心身を守ってくれることになります。
終わりに言うは易く行うは難しでしょうが、こういう教訓が頭の片隅にあるだけでも、いざ咄嗟の行動が少しずつ違ってくるもの。
北条重時『六波羅殿御家訓』は全43箇条。現代にも十分に通用する人生の教訓がたくさん詰まっているので、他の教えも改めて紹介したいと思います。
※参考文献:
桃裕行 校訂『北條重時の家訓』養徳社、1947年10月 『増補改訂 武家家訓・遺訓集成』ぺりかん社、2003年8月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan