平野紫耀への「あなたは一人じゃない」『クロサギ』黒島結菜の言葉と現実がシンクロ「切なすぎる奇跡」

日刊大衆

※画像は日本テレビ『クロサギ』公式サイトより
※画像は日本テレビ『クロサギ』公式サイトより

 King&Prince平野紫耀(25)主演の『クロサギ』(TBS系)は、詐欺によって家族を失った男が「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」になって詐欺師たちを騙し返すやり方で立ち向かっていくヒューマンドラマだ。第4話は「ヘッドハンティング詐欺とM&A詐欺」で、ヘッドハンティングで有能な社員を辞職させた後、その会社にM&Aを仕掛けるという巧妙な詐欺に、最大の宿敵が待っていた。

■「あなたは一人じゃないから」の奥深い意味

 このタイミングでこの台詞は、神がかっている。桂木(三浦友和/70)の指令で御木本(坂東彌十郎/66)を潰すネタを買った黒崎(平野紫耀)は、御木本がいる上海へ向かうことになる。スーツケースに御木本を潰すという“夢”を詰め込み、隣の部屋に住む氷柱(黒島結菜/25)に愛猫を託してアパートを後にする。

 しばらく日本を出るという黒崎を追いかけ、その背中に向かって声を掛ける氷柱の台詞があまりにリアルすぎた。「もしあなたが遠いどこかに行っちゃっても、あなたのことを気にしている人間が、少なくとも一人はここにいる。あなたは一人じゃないから」と。

 これは、混乱と悲しみの真っただ中にいた、ファンの気持ちを代弁するかのような台詞だったといえよう。理由は、黒崎を演じる平野が、所属するKing & Princeからのグループ脱退と、事務所の退所報告が放送日の前週に発表されたからだ。

 脱退の理由は、現在のままでは夢であった海外での本格的な活動に希望を見出せなかったことが伝えられているが、あまりに突然のできごとに、誰もが驚きと悲しみと疑問を抱いただろう。本当のことを知りたい、だけどそれを知ることはないだろう、といった状況が、黒崎(平野)を想う、氷柱の心境(ファンの心境)といったようにクロスしてくる。

 なぜ行くの? どうして今なの? 日本を出た先で何をするの? また戻ってくるの? そんなことを聞いたところで教えてくれないだろうし、止める立場にもない。だったらせめて、応援している人がいることを伝えたいという切ない想いと精一杯の言葉を、ちゃんと振り向いて聞いてくれたのがよかった。平野の決断を尊重し、夢に向かって突き進んでいく姿を応援したいというファンの想いも、きっと届くはずだ。届いてほしい。

■平野紫耀の表現力は無限の可能性を秘めている

 黒崎は、これまで情報を買った後は単独で仕事をしてきたが、白石(山本耕史/46)に出会ったことで新しい一面を見せた。御木本について現状を相談する黒崎に、生意気な言動や態度を見せたら天狗の鼻をへし折るかのように接する、白石の兄貴っぷりが気持ちいい。造形美ともいえる平野の高い鼻を遠慮なくつまんでいるのがほほ笑ましくて、そこに愛情を感じてしまう。

 この二人の芝居をもっと見ていたいと思わせる阿吽の呼吸は、相性の良さなどもあるが、山本の芝居に平野がしっかり応えられているからだろう。山本は、平野との実年齢差が20歳ほどだが、子役時代を含めた俳優歴でいえば、超ベテランになる。

 そんな山本と平野のやりとりに、ヒヤヒヤしたりホッコリできるのは、平野に相応の演技力があるからこそ。平野は、アイドルという仕事を選んだこともあって、同世代の俳優に比べると映像作品の出演数が少ない。それでも、これほど魅力的な芝居ができるのは、歌やダンスで表現することが、芝居でも生かされていることと、感受性が豊かであるからだろう。

『クロサギ』では、悲しみ、苦しみ、怒り、虚しさ、孤独といったマイナス感情がベースになるが、黒崎の感情に自身が持つ感覚をクロスさせ、的確に表現している。表現者という意味では、歌もダンスも芝居も通じるものがある。黒崎の心情に寄り添い、これだけの表現ができるならば、平野の芝居には無限の可能性を秘めているといえるだろう。

 平野の芝居をずっと見ていたい、ドラマに終わりなどこなければいいとさえ思ってしまう。(文・青石 爽)

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