沖田総司の愛刀「菊一文字」は実在しない?伝説に彩られた剣士の真実 (3/5ページ)

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また菊一文字は、後鳥羽上皇が部分的とはいえ直接作業に携わり、反対に上皇が焼き入れだけを行ったものは「菊御作」と呼ばれて区別されたという話も。

ただ、上皇が菊紋を銘に入れることを許可したことは本当らしいのですが、では実際に菊紋に「一」が入っている刀が作られたのかというと、歴史上、現物の存在が確認されたことはありません。

よって、「備前一文字則宗が作った刀(則宗)」や「菊御作」は存在するものの、あくまでも「備前一文字則宗が作った菊一文字」は実在しない幻の刀なのです。

沖田が実際に使っていたのは…

では、沖田総司イコール菊一文字という伝説はどこで生まれたのかというと、これは昭和初期の小説家である子母澤寛の創作だとされています。さらに、その影響を受けた司馬遼太郎による『燃えよ剣』『新撰組血風録』によって、ますます伝説は真実味をもって流布しました。

そもそも、備前一文字則宗による刀「則宗」は、室町時代から既に実用品ではなく贈答品として扱われており、江戸時代も大名たちの間でごく稀に贈答に使われる以外は流通することはありませんでした。当時から国宝級の日本刀だったと言ってもいいでしょう。

よって、菊一文字は幻の刀だとしても、それに匹敵するものを沖田総司が所持していた上に、血みどろの実戦で使用していたというのは、ちょっと考えられない話です。

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