沖田総司の愛刀「菊一文字」は実在しない?伝説に彩られた剣士の真実 (2/5ページ)
伝説の刀「菊一文字」とは?
そもそも、沖田が使っていたという菊一文字は、どのような由来を持つ刀なのでしょうか。
実は、菊一文字は一振りだけではなく複数存在したとされています。鎌倉時代に、幕府打倒をめざした後鳥羽上皇が、日本刀刀工の一派である備前一文字派の刀鍛冶に打たせた刀の総称ということになっているのです。
少し詳しく説明しますと、もともと後鳥羽上皇は、刀作りにとても力を入れた人でした。その理由はいくつかあります。
彼は源平合戦の際に、三種の神器がない状態で即位しました。よって「神器を持たない天皇」というイメージがつきまとっていた上に、壇ノ浦の戦いでは三種の神器のひとつである草薙剣が海に没したため、朝廷の力を示すための名刀を作る必要に迫られていたのだと言われています。
そこで彼は、諸国の名刀工とされた人たちを京都へ招き、刀を鍛えさせました。
その時、特に鎌倉時代を代表する名刀工・備前一文字則宗には、皇位の紋でもある十六弁の菊紋を銘に入れることを許可しています。このことから、十六弁の菊紋に「一」が入っているものを「菊一文字」と呼ぶようになったと言われています。