馬を贈られた時の正しい受け取り方とは?北条重時『六波羅殿御家訓』にみるマナーがこちら (2/3ページ)

Japaaan

をやかたより、馬なんとを得ては……

一 をやかたより、馬なんとを得ては、をりて轡に手をかけて、人にとらすへし、庭に引立させて、人をもて、それ取てつなけなんと下知すへからす、して簾こしに返事すへからす、さる人をは烏滸の者と申也、但親かたと云とも様によるへし、年も若く、時のきらもなく、恩も蒙さらむには、餘に折目きひしく敬へは、見人いかにと思、還てあまり■ならむ方もありぬへけれは、若黨の中にさる者と知られたらんにとらすへし、

※『六波羅殿御家訓』より(第19条目)
※原文はカタカナですが、読みやすいよう平仮名に直しています。
※■は判読不能。

贈られた駿馬(イメージ)

一、主君(御館)より馬などをいただいた場合。

(使者が馬を曳いてきた)庭へ降りて自ら轡(くつわ)をとり、それから家中の者へ渡すようにせよ。決して家人に「つないでおけ」などと命じてはならない。また簾(すだれ)も挙げずに口先でお礼だけ言うような態度は論外である。

ただし主君と言ってもこちらの方が年長や目上で、(代替わり直後など)関係も浅い場合、あまり丁重すぎても変に思われてしまう。そういう時は若党の中でも名のある者に受け取らせよ。

……せっかくの頂き物を手にとりもしないで「じゃあこれ、しまっといて」なんてやられたら、贈った方はがっかりしちゃいますからね。

後で使者から報告を受けた相手が「贈り甲斐のないヤツだな」と思われないよう、ちゃんと庭先に下りて、十分に吟味することで感謝の気持ちが伝わるようにしましょう。

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