支店長に嫌われた銀行員が背負う「外れない十字架」とは (1/2ページ)

新刊JP

『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記――このたびの件、深くお詫び申しあげます (日記シリーズ)』(目黒冬弥著、フォレスト出版刊)
『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記――このたびの件、深くお詫び申しあげます (日記シリーズ)』(目黒冬弥著、フォレスト出版刊)

同じ会社勤め、とはいえどんな仕事にもその仕事ならではの特色があり、人間模様がある。それは他の業界、業種、会社で働く人からすると、新鮮だったり、時には奇異に映る。

「サラリーマン社会」の極北といえば、銀行員である。近年実力主義に変わりつつあると言われているが、かつては上司に気に入られなければ出世の道は拓けず、ミスをして上司の顔に泥を塗れば数年間は冷や飯を食わされる世界だった。

■支店長に嫌われたら最後「外れない十字架」とは

そんな銀行員のリアルを明かしているのが『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記――このたびの件、深くお詫び申しあげます (日記シリーズ)』(目黒冬弥著、フォレスト出版刊)である。誰もが知るメガバンク「M銀行」に長年勤める著者が、その内幕を赤裸々に明かす。

どの会社もそうだが、上司からの評価がその後の会社での居心地やポストに大きく影響することがある。気に入られればその後の仕事がやりやすくなるし、嫌われればその後は推して知るべし。著者の目黒さんも上司に嫌われたおかげで冷遇された一人である。

ただ、目黒さんの場合かなり同情すべき余地がある。当時目黒さんはM銀行宮崎中央支店に配属されたばかり。この支店には、他人のミスはどんなに小さなものも許さない「病的な完璧主義者」として知られる厳しい支店長がいた。

M銀行には定期的に本店の人事部から担当者がやってきて、行員と面談をする慣習があった。その目的は支店長の支店管理能力を評価するためである。

当然、支店長は自分の評価に関わるこの慣習を重視する。そのため人事部担当者と面談する行員には、どんな質問にも完璧に答えられるように想定問答が叩きこまれた。ところが、そう都合よく物事が進まないのも会社という世界である。面接予定の行員の一人がひどい風邪をひいてしまったのである。

代わりに、ということで人事部担当者が指名したのが著者である目黒さんだった。その時目黒さんは四日前にこの支店に異動してきたばかり。支店の事情も知らなければ、支店長についても「完璧主義者」ということしか知らない。

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