日本の初代天皇「神武天皇」の正体とは? 古代日本のある人物との共通点 (1/2ページ)

新刊JP

『邪馬臺国と神武天皇』(幻冬舎刊)
『邪馬臺国と神武天皇』(幻冬舎刊)

日本の古代史は文献や資料がほとんどなく、謎が多い。だからこそ様々な議論や思索の余地がある。

たとえば日本の初代天皇といわれる「神武天皇」をめぐっては架空論、実在論が展開され、2~3世紀頃に存在していた邪馬台国は存在していた場所について様々な研究者たちが言及している。

『邪馬臺国と神武天皇』(牧尾一彦著、幻冬舎刊)は、そうした日本の古代史を巡る著者・牧尾一彦氏の考察がつづられた、730ページ以上に及ぶ大著だ。これまでの議論を批判的に検討しつつ、タイトルの通り「神武天皇」の正体と、「邪馬臺国」(書籍内の表記に基づき、以後「邪馬臺国」と表記)との関係について推察している。

■「神武天皇」とオホタタネコ、その共通点とは

本書の大きなトピックの一つが、「神武天皇」の正体は何者かということだ。

牧尾氏は神武天皇について「架空の天皇である。実在した天皇ではない」としながらも、「実在の人物を下敷きにして物語が作られている」と述べ、その人物として「オホタタネコ」、またの名「トヨミケヌシ(豊御気主)」を挙げている。

オホタタネコは『古事記』の崇神天皇事績譚の冒頭を飾る説話の主人公であり、三輪山の神である大物主神を祭祀した人物で、「大和朝廷最初の祭主」と牧尾氏は考えている。また、神君(ミワのキミ)、鴨君(カモのキミ)の祖である。
このオホタタネコについて、牧尾氏は『古事記』と「地神本紀」の系譜を照らし合わす。そこにおいて、『古事記』が記す大物主神から4世孫オホタタネコまでの父子直系系譜の下に、「地神本紀」の伝えるオホタタネコの子孫系譜を付け足すことができると指摘した上で、次のように述べる。

クシミカタ命からオホタタネコ命を経てオホミケ持命に至る五代の系譜は、「地神本紀」が伝えるアメヒカタクシヒカタ命からトヨミケヌシ命を経てオホミケ主命に至る五代の系譜と実は同一の父子五代を伝える系譜であろう。従って、トヨミケヌシ命とは、オホタタネコ命の亦の名、その別称ないし尊称であろう。

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