「いつか帰ってくることを信じて」キンプリ平野紫耀『クロサギ』桂木との決別で見せた「台本にない涙」 (2/3ページ)

日刊大衆

 そして、そんな黒崎の気概を買い、詐欺を教え、情報を売って報酬を受け取れるまで育てた桂木にとっても、黒崎の成長は少なからず喜びだっただろう。いつか自分はこの黒崎に喰われるかもしれない、そう思いながらもそばに置いていたのだから、かわいがっていたことがうかがえる。

 これまで、黒崎が桂木と話をしているときには、瞳に涙をいっぱい溜めて悲しみに満ちた表情をしていることはあっても、涙を流すことはなかった。だけど、決別するとなると複雑な感情が入り混じって、言葉では説明がつかない心境になったのだろう。その黒崎の心情を、平野が体現していたのが素晴らしかった。

 このシーン、台本では淡々としたやりとりが書かれていたのだが、平野の涙が溢れ出たカットが採用されたという。涙については、解釈が違うと判断されたらNGになる。だけど、黒崎を体に染み込ませ、溶かしている平野にしか出すことができない涙には、台本を超えた尊い感情が表現されていた。アドリブの最上級ともいえる、この涙の演技。作品の中で語り尽くしたい名シーンになった。

■黒崎はひとりじゃない、あなたを待っている人がいる

 黒崎は壮絶な人生を歩んできたが、桂木と決別したことで、本当にひとりになってしまった。桂木の腹心である早瀬(中村ゆり/40)に「おかえり」と言ってもらえることもなくなってしまった。だけど、隣の部屋に住む氷柱(黒島結菜/25)は、黒崎がどこへ行こうと、なにか難しいことを成し遂げようとしていても、待っていてくれる存在となっていた。

 黒崎と氷柱は生きる世界も違うし、描く未来には存在しない人。それでも、自分を理解しようとしてくれる人がいるというだけで強くなれるし、生きて帰りたいと思うだけの力をくれるものだ。アパートを出る黒崎の荷物は、スーツケースにボストンバッグと小さいものだった。

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