異文化の中で生活をする。妻を亡くした62歳が一人で海外に渡航して得たもの (3/3ページ)
だから、そういう心構えでぶつかっていったのが逆に良かったように思います。
――本書では先ほどお話にあがったIikerやRojerをはじめとして、たくさんの人と出会いますが、特に印象深いのは誰ですか?
菊池:私の旅に思わぬ展開をもたらしてくれたのが、コロンビア人のサンドラと、ブラジル人のサンドロですね。この二人に会いにコロンビアとブラジルに行くことになるわけですから。
でも、実は現地に行くときはこの二人に会えなくてもいいと思っていたんですよ。
――現地に着いてからFacebookで連絡を入れたんですよね。
菊池:そうなんです。彼らとは英語学校で出会ったけれど、みんな切実な思いで人生を背負って勉強をしに来ているんですよ。そして母国に帰って必死に生きている。そんな中で私が行くことで負担になるのは避けたくて、「あなたの国に来たよ。本当に素晴らしい国だね」とだけ伝えられればいいと思っていたんです。
だから、まずは現地に入って、自分で行動できるように交通機関をしっかり調べて、地下鉄やバスを使って移動できるようにしてから、連絡をしました。そうすると、彼らは「信じられない!」という反応をしてくれるんですよ。「ホテルに迎えに行くよ」って言われたら「問題ないよ、こっちから会いに行く」と返す。そうすると、なおのこと相手は驚くわけです。
ただ、コロンビアを含めた南米は基本的に治安面で注意が必要です。現在のコロンビアは観光客もたくさんいますが、当時は日本からのツアーも中止されていました。何も知らないまま一人で動くのは危険だと思ったので、現地に住んでいる日本人の方と連絡を取ってサポートをしてもらいました。
――本を読んでお話を聞いていると、まさにチャレンジですよね。奥様が亡くなられて、一念発起して62歳で世界をめぐる一人旅をスタートしましたが、ご自身ではどんな旅だったと思っていますか?
菊池:自分としては、目の前にあらわれるハードルを一つ一つクリアして進んでいきながら、広がっていったという感覚があります。
マルタに滞在をして、現地の英語学校で仲間たちと勉強をして、そこで出会った人たちに会いに行くという新たな目標が生まれて、というように少しずつ広がっていったのですね。
(後編に続く)