歴史の陰に岩倉具視あり!?幕末の動乱期に見せた八面六臂の活躍 (2/4ページ)
もともと公家の間では九条に対する不満が高まっていたので、そこでうまく立ち回って、味方になりそうな公家たちを煽ったのでした。
奔走する岩倉具視この出来事が追い風となり、孝明天皇は条約締結への勅許を許可せず、老中の堀田は辞職に追い込まれます。
これが岩倉にとっては、いわば「政界デビュー」で、彼は時局の混乱に乗じて存在感を示す結果になったのです。
とはいえ、朝廷と幕府が対立することは彼の本意ではありませんでした。策略家ではあっても、今は大局を見るときであり、国内で分裂している場合ではないと考えていたのです。
それに孝明天皇も、あくまでも鎖国体制の維持を望んでいるのであり、幕府から政治の実権を奪うつもりはありませんでした。
そこで岩倉は、伏見奉行の内藤正縄との面会を試みます。