武士たるもの、刀の手入れは…『六波羅殿御家訓』が伝える北条重時(義時三男)の教え (3/3ページ)

Japaaan

【意訳】腰の刀を錆びさせてはならない。主君や親に召し出された時、抜いた刀が錆びているとがっかりされてしまうであろう。そもそも武士たる者が太刀や刀(打刀、あるいは脇差など)を錆びさせるなど言語道断の不覚悟である。いつ何どき何があるか分からないのだから、たえず用心の心を忘れてはならないのだ。

ちょっと言い回しにくどさを感じるものの、武士としてはごく当たり前の心得ですね。しかしこれが江戸時代ならいざ知らず、鎌倉時代に謳われていたとは、人間の忘れっぽさを痛感させられます。

終わりに

承久3年(1221年)には承久の乱があり、戦後9~26年しか経っていないのに、武士たちの記憶は既に風化しつつあったのでしょう。

小規模な抗争やトラブルも絶えなかったけど、そんなのは一部の荒くれ者に限られ、あんがい平和を謳歌していたのかも知れませんね。

しかし「忘れたころにやってくる」のが兵乱や災難というもの。現代の私たちも常在戦場の精神を片隅に置きながら、日々の備えを固めたいものです。

※参考文献:

桃裕行 校訂『北條重時の家訓』養徳社、1947年10月 『増補改訂 武家家訓・遺訓集成』ぺりかん社、2003年8月

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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