保護猫で広がる大きな支援の輪。1か月で1,000万を達成。行き場のない動物たちを支える「みんなのシェルター」 (3/5ページ)
老い衰え、病気や怪我を負って、最期の日々を戸外で過ごすことになります。お世話していた人も転居・転職で地域を離れ、自分の家では引き取れない事情もあるでしょう。
地域猫は、近隣の人たちが胸を痛める状態で生きることになり、動物福祉の観点からも見て見ぬふりもできなくなりつつあります。高齢の地域猫が余生を過ごせる「老猫ルーム」も設けたいと考えたのは、これまで地域の人たちからの相談を受けてきたからこそなのです。
2)都市化が進む都心の課題:猫が生きていけない環境
猫の殺処分を減らしていくために、TNR( Trap / Neuter / Return =捕獲/去勢・不妊手術/元の場所に戻す活動)は最優先で必要です。
しかし、手術とお世話だけでは、猫問題が解決したとはいえません。
都心では大規模再開発が進み、環境は大きく変わり、猫たちが生きる場所も狭められています。過去に去勢・不妊手術が行われ、元の場所に戻されて、何とか生きのびてきた「地域猫」たちも保護せざるを得ない状況です。
中央区では、豊洲への移転で築地市場の約200頭の「地域猫」を保護せざるを得ないという問題に直面しました。
また東京オリ・パラ関連施設が圧倒的に多いのは江東区でした。江東区有明の有明アリーナをはじめ、10施設が建設。「街がまるごとなくなっている。冬になると、海からの寒風にあたって、地域猫たちが折り重なって死んでいる」と悲鳴のような相談でした。ボランティアが過剰に保護して多頭飼育に陥っていたり、自腹を切って動物病院に長期預かりを頼んでいましたが、すべての猫を保護することは難しく、猫にも人にもつらい状態が続いていました。
3)高齢者のペットの課題:高齢者の「飼い猫」についての相談が急増
少子高齢化・核家族化が進み、ペットはひとり暮らしの高齢者にとってより重要な存在になっています。しかし、高齢の飼い主が認知症、病気、入院・入所、死亡となってしまったら、ペットは行き場を失ってしまいます。
ここ数年で高齢者のペットについての相談が相次ぎ、区市町村からの相談も増えました。