大相撲、初勝ち越し・三賞かかる力士が思わず反則! 阿武咲以上の大ダメージ? 取組中の負傷が招いた1月場所千秋楽の悲劇 (2/2ページ)

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 まさかの形で初の勝ち越し、技能賞を逃した里山だが、取組後の報道では「日頃の行いが悪いから」、「また来場所頑張ります」と自虐を交えつつ前を向いたことが報じられた。しかし里山はこれ以降、三賞はおろか幕内での勝ち越しもないまま、幕下まで落ちていた2018年11月場所限りで現役を引退。高安戦の反則負けは、結果的にキャリアに大きな影を落とす形となった。

 阿武咲以上に失うものが多かった里山の反則負けだが、本人は相撲協会公式YouTubeチャンネルが2019年7月16日に投稿した動画の中で当時の心境や裏話を明かしている。動画によると、里山は勝ったら技能賞ということは取組前から知っており気合いを入れて高安戦に臨んだといい、協議の際は「神様お願いします」と判定が変わらないことを強く願っていたという。

 また、里山は高安に右腕を極められた際に右肘を痛め、「ブチブチブチ」という音も聞こえたと説明。その上で「(右腕を)下げているのも痛くて。それで高安関の頭に乗せて『この後どうしよう。どうやって決めようかな』と思ってる時に高安関が足を払ってきて。それで思わずグッと握ってしまった」とまげをつかんでしまった理由を明かしている。

 「相撲ではまげを含めた頭髪に触れる行為は禁じられてはいませんが、つかんだり引っ張ったりする行為は故意・偶然にかかわらず禁じ手で反則負けになると定められています。よくあるのは引きやはたきを狙った際、自身の指と相手の頭髪が絡まり引っ張ってしまう形での反則ですが、負傷した手をやむを得ず相手の頭に置いたことが反則につながってしまったケースはかなり珍しいと言えます」(相撲ライター)

 今回の阿武咲は「(まげに手が)入った感覚はありました。抜かなきゃと思ったけど抜けなくて…はたきにいった自分がダメでした。攻めきれなかった自分が悪いです」と押し込む中で引きを選択したことがミスだったと猛省したことが伝えられている。取組中のアクシデントによる不可抗力のような面もあった里山に比べると改善の余地は大いにあると思わるが、悔しさ・反省をバネに来場所三賞を獲得することはできるのだろうか。

文 / 柴田雅人
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