エジプトでこれまでで最も古い可能性がある4300年前のミイラを発見
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エジプトの首都カイロ近郊にあるサッカラで、これまで発見された中で、最も古い可能性があるミイラが発見されたそうだ。
ミイラは4300年前のもので、モルタルで封印された石灰岩製の石棺に、黄金の葉におおわれた姿で安置されていたという。
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Egyptologists uncover 4,300-year-old tombs・エジプト最古のミイラである可能性
最古の可能性があるミイラは「Hekashepes」という男性のものだと考えられている。
「このミイラは、エジプトで発見されたものとしては、これまでで一番古く、かつ一番完全なミイラかもしれない」と、ザヒ・ハワス元考古相はコメントする。
ミイラが発掘されたのは、サッカラで見つかった第5・第6王朝のものとされる4つの墳墓からだ。
サッカラは古代エジプトの首都メンフィスのネクロポリス(埋葬地)だったところで、階段のような形が特徴的な「ジェセル王のピラミッド」など、さまざまなピラミッドがある。
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Dr. Zahi Hawass / Facebook・神官の墓や多数の像も発見
4つの墓のうち、最大のものは「Khnumdjedef」という人物のもの。ウナス王(第5王朝最後のファラオ)の時代の神官だった人物で、その墓には、日常生活の風景が描かれていた。
2番目に大きな墓は「Meri」という人物のもので、王宮に仕える役人だったとのことだ。
こうした墓からは、美しい人物像や神像のほか、アミュレットや石の器、日常的な道具などさまざまな遺物が見つかっているそうだ。
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・人のミイラはミイラと呼ばない動き
これまでは長期間原型を留めている死体を全てミイラ(Mummy)と呼んでいたが、最近呼び方を変更しようとする動きがイギリスから出ている。
CNNが伝えたところによると、かつて生きていた人としての尊厳を傷つけないよう、名称が分かっている場合は名前で、わからない場合は「ミイラ化した遺体」と呼ぶべきだと、大英博物館やグレートノース博物館が呼びかけを行っているそうだ。
ミイラというと、フィクション作品などの影響で、どうしてもオカルト的なイメージがつきまとうが、実際には、故人が安心して現世から旅立てるよう、手間のかかる大変な作業を経て作られており、故人と、故人を思う当時の人々の気持ちを敬うべきだというのが、その理由だそうだ。
References:Archaeologist hails possibly oldest mummy yet found in Egypt | Egypt | The Guardian / written by hiroching / edited by / parumo
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