「WBC選出」岩手・大谷翔平や佐々木朗希、千葉・長嶋茂雄、大阪KKコンビ…ご当地プロ野球スター「オラが街の名選手」No.1決定戦

日刊大衆

写真はイメージです
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 巨人ファンも虎党もカープ女子も、全国各地の野球通がイチ押しする、地元民が愛する名プレイヤーは誰!?

 野球ファンであれば、たとえ好きなチームがあっても、自分と同郷の選手に、他球団でも声援を送りたくなってしまうもの。ひいきの球団への愛着とはまた違った“郷土愛”も、野球観戦を面白くする大きな要素の一つだろう。

 そこで昨年、本誌では「好きな地元出身選手」のアンケートを実施。編集部に寄せられた数多くの回答を基に、“オラが街”のナンバーワン名選手を選出した。野球熱の高い本誌読者だけあって、票は大いに割れた。特に、プロ選手を多く輩出している地域はなおさらだ。

 たとえば、今季のNPB所属選手を出身地別に見ていくと、やはり人口の絶対数が多い関西圏と首都圏に集中。関西圏では、ダントツの大阪と、2位の兵庫だけで実に全体の15%。一方の首都圏も、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で約20%を占める一大勢力となっている。

■清原和博&桑田真澄を推す声も

 当然、イチ押しの選手にも幅があり、大阪なら「同郷&同世代なことが自慢だった」(55歳・会社員)という清原和博桑田真澄の“KKコンビ”を推す声も多数。兵庫でも、「甲子園でのあの決勝再試合が今も忘れられない」(47歳・公務員)と名前の挙がる田中将大(楽天)や坂本勇人(巨人)と、それこそ枚挙にいとまがないほどだ。

「人口と学校の多さは比例しますから、必然的に野球人口も多くなる。いずれの都府県も全国的に名の通った甲子園の常連校が林立する激戦区ですから、当然スター選手の総数も、他とケタが違ってきますよね」(スポーツジャーナリスト)

 そんな数ある激戦区でも、他を圧倒する“野球熱”の高さで知られるのが、神奈川だ。

 1980年夏に横浜高で全国制覇も成し遂げた、神奈川出身の元ロッテ・愛甲猛氏が、その内実をこう解説する。

■原貢・辰徳親子の影響は大きい

「転機は70年、71年と県勢で続いた東海大相模と桐蔭学園の夏制覇。とりわけ原貢・辰徳親子の影響は相当大きかったよね。俺らの頃はとにかく“打倒相模”だったし、ウチの渡辺元智監督はもちろん、桐蔭の木本芳雄さんや“Y高”横浜商の古屋文雄さんも、みんな貢さんに対抗心を燃やしていた。それが神奈川の野球レベルの底上げにつながったのは間違いないだろうね」

 実際、当時は愛甲氏の横浜高も含めた各校に“東海大相模に入れなかった”部員たちが何人もいたほど。4月の入学時に1年生だけで120〜130人が入部するのもザラだったという。

「どんどん辞めていくから最終的には毎年30人ぐらいに収まるんだけど、それだけ数がいたら強くもなるよね。しかも、相模からあぶれたやつは、桐光学園や慶応高あたりにもいたから、当の相模も足元をすくわれることがよくあった。たぶんPL学園や近大付、北陽、上宮あたりがしのぎを削った80〜90年代の大阪も似たような感じだったんじゃないかな」(前同)

 ちなみに、そんな激戦区で切磋琢磨した選手たちの間には、プロ入り後も、世代を超えた“同郷”意識があったという。

「俺も原さんには当然あいさつに行ったし、中日に移籍したときには、山本昌が“日大藤沢でした”って、すぐに来てくれた。一般の人からも“神奈川で野球やってました”って言われることも多々あるし、野球経験者だけが持つ同族意識みたいなものを感じる場面はいまだに多いよね」(同)

 それは他県でも同様のようだ。千葉では、本誌連載でもおなじみの篠塚和典氏が

「長嶋(茂雄)さんは今も特別」と公言すれば、読者からも「ミスターが篠塚を1位指名してくれたときはうれしかった」(71歳・無職)との声が上がった。

「阪神OBである掛布雅之さんも、長嶋さんに憧れ、慕っている。それはやはり、同じ千葉出身であることも大きいようですね」(球界関係者)

■“野球留学”に象徴される裾野の広がり

 ただ、そうした野球部特有の“同族意識”も時代とともに移ろいゆくもの。その最たる要因となっているのが“野球留学”に象徴される裾野の広がりだ。

「横浜高だって和歌山から来ていた筒香(嘉智/レンジャーズ)のような例はあるし、涌井(秀章/中日)や近藤(健介/ソフトバンク)は千葉出身。松坂大輔にしても地元は東京だからね。今の現役の子たちには、俺らの頃にはあった“同郷”意識はあんまりない気はするよね」(愛甲氏)

 確かに、プロ輩出人数で他を圧倒する強豪・大阪桐蔭高の出身者を見ても、広島出身の中田翔(巨人)や岐阜出身の根尾昂(中日)ら、他県からの選手は多い。DeNAのドラ1新人・松尾汐恩も、同じ関西ながら出身は京都だ。

「12球団のスカウト網が全国にくまなく張り巡らされている今は、たとえ地方の高校や大学リーグであっても、プロの目に止まる。そういう意味で、勢力図が昭和の時代からは大きく変わっているのは確かです」(前出のジャーナリスト)

■大リーガーとなった菊池雄星も!

 そこで地方へと目を向けてみると、やはり最注目すべきは東北の岩手だろう。

 花巻東から大リーガーとなった菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)に加え、佐々木朗希(ロッテ)も大船渡出身。

 少年野球の指導に長く携わってきた愛甲氏も、岩手の野球熱の高さは、肌で感じているという。

「大谷の父・徹さんが監督を務める“金ケ崎リトルシニア”をはじめ、意識の高い指導者が多い印象。しかも、そこで揉まれた子たちが、横浜の強豪シニアからの“留学組”が多い盛岡大附のような学校と競い合うんだから、そりゃ自然とレベルも上がるよね」

■吉田正尚ら福井、松井秀喜ら石川も注目県

 注目県は北陸にもある。それは福井だ。

「福井工大が、一昨年の大学選手権で準優勝を果たすなど、近年レベルが上がっています。かつては川藤幸三さんぐらいしか、プロ選手の名前が挙がりませんでしたが、今では吉田正尚(レッドソックス)や栗原陵矢(ソフトバンク)、中村悠平(ヤクルト)ら主力クラスを続々輩出しています」(スポーツジャーナリスト)

 実は、人口10万人あたりのプロ選手輩出率でも、ダントツの沖縄に次いで、福井はトップクラスだとか。

 北陸では、隣の石川も忘れてはいけない。

「あの松井秀喜を生んだ県ですが、かつては中日新聞の勢力圏ということもあり、小松辰雄ら中日勢が多かったんです。でも近年は、星稜からも島内宏明(楽天)や奥川恭伸(ヤクルト)ら、各チームに分散していますね」(前出の球界関係者)

■大分や熊本の村上宗隆、九州も特筆

 一方、輩出率では九州・大分も特筆すべき存在だ。

 とりわけ大分商は、自前の専用グラウンドや寮を持たない普通の公立校にもかかわらず、源田壮亮(西武)や森下暢仁(広島)ら、6人の現役選手を出している。

「そこはやはり、前任の渡邉正雄監督の指導力によるところが大きい。渡邉監督が新たに着任した同じ県立の佐伯鶴城からも、西武のドラ2で、古川雄大がさっそくプロ入りしています」(前同)

 なお、隣の熊本には、秋山幸二や前田智徳、松中信彦といった名スラッガーがズラリ。今は、村上宗隆(ヤクルト)がその系譜を継いでいるのも面白い。

■超一流投手がズラリ実はすごい“弱小県”

 一方、輩出率が最も低いのは山陰の鳥取。だが、この県には意外な事実がある。

 人口は、東京の杉並区より少ない約55万。高校野球の参加校もわずか22校と全国最少だが……。

「現役では九里亜蓮(広島)が孤軍奮闘していますが、実は定期的に名投手を輩出する土地柄。角盈男の他、金田正一に次ぐ350勝投手の“ガソリンタンク”米田哲也や“江川事件”の小林繁、元広島のエース・川口和久も鳥取です」(同)

■坂本勇人の場合は

 さて、今回のご当地スター選手は、地元で生まれ育った選手を優先して選出している。しかし、その一方でこんな声も……。

「今や私立校の甲子園出場が一度もない“公立王国”は四国・徳島だけ。野球留学の盛んな私立高は“傭兵部隊”と揶揄されることもありますが、そんな彼らの存在によって“オラが街”の野球が支えられている側面もあります。その土地から巣立ったという意味では、駒大苫小牧の田中将大は北海道育ち、光星学院の坂本勇人は青森育ちと言っても、さしつかえはないはずです」(スポーツジャーナリスト)

 さて、プロ野球もまもなくキャンプイン。今季は選手名鑑の出身地に注目して野球を観るのもまた一興だ。

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