天下を獲ったら何したい?奥州の雄、独眼竜・伊達政宗はこう答えた! (2/3ページ)
「いや、あまりに気宇壮大なことなれば、考えすらしませなんだ……時に、御屋形様が天下を獲られたら、何をご所望か?」
綱元の逆質問に、待ってましたとばかり政宗は、顔を輝かせて答えます。
「わしか?そうさな、豆飯(まめめし)と塩鰯(しおいわし)、それに芋の子汁(いものこじる)を心ゆくまで食いたいのぅ!」
どんな荒唐無稽の答えが出るかと身構えてみれば、意外な答えに、綱元はちょっと拍子抜けしたかも知れません。
ちなみに豆飯とは大豆の炊き込みご飯、塩鰯はイワシの塩焼き、そして芋の子汁は里芋(芋の子)と大根を入れた味噌汁。別に天下など獲らなくても、日常的に食べられるありきたりなメニューです。

ご馳走もいいけれど、いつもの食事がやっぱり一番?(イメージ)
「……ま、それもこの修羅場を生き抜ければ、じゃがの」
人取橋の戦いは伊達勢7,000に対して、佐竹ら連合軍はおよそ30,000。実に4倍超の戦力差でした。
何としてでも伊達を潰そうと目論む諸大名らの執念がうかがえます。
「生きて帰れたら、たんと豆飯など進ぜましょうぞ」
「楽しみにしておるぞ……いざ!」
果たして伊達勢は敗れ、殿軍(しんがり)を務めた鬼庭左月斎(さげつさい。鬼庭良直、綱元の父)は討死。政宗・綱元らは命からがら逃げ延びました。
このまま追撃したい佐竹勢でしたが、陣中での混乱や北条氏に背後を衝かれるなどの懸念から撤退。命拾いした政宗はやがて捲土重来を果たし、奥州の雄に成り上がります。
多くの家臣たちと共に味わいたかったであろう豆飯は、少し塩加減が狂ってしまったかも知れません。