Uターンして良かった! 3児の母ながらもグッドデザイン賞を受賞したデザイナーが語る「両立のコツ」 (2/4ページ)
そういうことだったんですね。都心での子育ては大変でしたか?
2012年に子どもが生まれてから、夫と協力しながら子育てしてきましたが、目まぐるしくはありましたね(笑)。同じデザイナー職の友人たちの中には、PC一台でフリーランスとして働く人もいました。
リモートなら子育てがラクになるなとも思ったのですが、プロダクトデザインはフリーランスやリモートワークとは相性が良くない職種で、当時は諦めていました。
ものづくりの仕事は、フリーやリモートなどの自由な働き方があまりフィットしないイメージがありますね。試作品の確認は会社でしないといけませんし、重いデータは家だと作業効率も悪くなりますからね。
でもある時、子どもに習い事をさせたくて話を聞きに行ったんです。すると「土日は数百人が入会待ちで、平日も午後3時には送り迎えが必要」と言われて……その時ちょっと無理だなと心が折れたのは心に残っていますね。
だからこそ、地元で実家の力を借りる選択肢が魅力的に思えたのかもしれません。
都会でしかできない仕事もあるけれど、都会だからこそ制限されることもたくさんありますよね……。■風通しのいい会社で自身の思いもアウトプット。デザイン賞も受賞
転職はどんな軸を持って活動されましたか?実家の近くに住むならやりたい仕事を優先したいと考え、これまで続けてきたプロダクトデザインを活かせる会社を探しました。
私の場合は自分で手に取れるもの、身近に使えるものをデザインすることにやりがいを感じていたので、ライフスタイルに関わるものづくりをする会社を軸に探したところ、象印マホービンに出会いました。
炊飯器やポットが有名ですよね。関西に本社があるとは知りませんでした。知名度はあるけれど、社員数も600名ほどと中規模です。でも、作っているものはまさに私の興味のある分野でしたし、会社が掲げている「日常生活発想」という当時のスローガンにも惹かれました。
生活者の視点に立ち、生活実感を大切に考える……自分がデザインで大事にしてきたポリシーそのものでもありました。