ヨガで唱える聖音オウムとは?オウム真理教の犯した宗教的大罪とは? (2/3ページ)
「南無」はサンスクリット語の「ナマス」(礼拝/敬礼)から来ており本来「オウム」とは関係ないはずだが、「NAM」は母音「A」子音「M」が入っているのは偶然だろうか。少なくとも取り入れた仏教者たちの感性に触れたことは間違いない。なお、真言密教の「唵」は「オーン」、「阿吽」は「アウム」そのままである。またキリスト教の「アーメン」にも「A」「M」と同じ音が入っている。音の仕組みは同じである。各宗教の黎明期に採用された聖なる言葉の根底には聖音「オウム」が流れているといえるだろう。
■オウム真理教の罪
「オウム」といえばオウム真理教について触れないわけにはいかない。「オウム」と聞けばほとんどの人は、その名を連想するのではないだろうか。オウム真理教が犯した罪には2つの種類がある。ひとつはもちろんテロや殺人などの社会的・人道的犯罪。もうひとつは宗教的な罪である。オウムは教団内でテロや殺人行為を指すときに「ポアせよ」「ポアする」という隠語を使用していた。ポアは意識を肉体から転移させるといわれるチベット密教の奥義である。オウム真理教はそれを本来の意味からかけ離れるどころか最悪の意味に転嫁してしまった。また「アーナンダ」「マンジュシュリー」など仏教の聖人・菩薩などの名を騙ったいわゆる「ホーリーネーム」も話題になった。そして何より「オウム真理教」なる宗教名である。聖なる音「オウム」をテロ犯罪集団の略称にしてしまったことは神に対する冒涜の極みであり、宗教的大罪といえる。
■最高の聖音
本来の「オウム」はイーシュヴァラ(最高神)を音にしたものであり、その功徳も比類がない最高の聖音とされる。阿息観のように声を震わすように唱えることで宇宙と一体になれるともいう。宇宙と一体などというと、これはこれで胡散臭い響きではあるが、現代のヨガやマインドフルネスなどの分野においても「AUM」の響きは深い精神状態、変性意識状態に入りやすい音声であるようだ。あくまで想像だが、先人は瞑想を追究する過程において「AUM」の組み合わせに優れた効力を発見し、むしろそのことで「オウム」を神聖視したのかもしれない。