クチバシを失い生きることが困難となったインコ、人工クチバシをつくってもらい第二の鳥生を歩む (2/3ページ)
インコを保護したのは、あらゆる種類の動物を救う目的で「レナサーACN(Renascer ACN)」という動物リハビリセンターを、2017年に設立したパウロ・ロベルト・マルティンス・ヌンツィアータさんだ。
パウロさんは、インコがこれからも生きていけるように、完全に機能するクチバシをつけてあげたいと望んだ。
そこで、動物の整形外科を専門とし、樹脂から動物の人工装具を作成するマリア・アンジェラ・パネリ・マルキオ獣医師の協力を得ることに。
この出会いが、インコに幸運を与えた。[画像を見る] ・クチバシの手術が成功し、第2の生きるチャンスを与えられる
他の多くの獣医師は、人道的な安楽死を勧めたかもしれないが、危篤状態で救出された動物を助け、生き伸びさせて自然に戻る機会を与えているマルキオ獣医師は、施術で負傷した動物に手作りのプラスチック樹脂プロテーゼを提供している。
使用されている素材のポリメチルメタクリレートは、硬化が3~5分と速く、チェーンソーで取り外す必要があるほどの耐性があるという。
そのポリメチルメタクリレートを使用して、マルキオ獣医師はインコの下クチバシを再構築し、骨折した骨に合わせて手で成形した。
上クチバシについては、同じ材料で補綴物全体を作成し、金属製のブラケットを使用して、残りのクチバシ部分に取り付ける必要があった。
施術は決して簡単なものではなかったが、クチバシの装着は大成功を収め、自然のそれとほとんど見分けがつかなくなった。