『笑点』新メンバー・春風亭一之輔インタビュー「『笑点』に出たからといって、自分の高座をこれからも変えるつもりはない」

日刊大衆

画像はイメージです
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 今や落語界のトップランナーである春風亭一之輔師匠が、日本の日曜夕方を代表する人気番組に加入! 直撃した!

ーー『笑点』メンバーに加入したことには、祝福とともに「ちょっと寂しいです」という声も届いたそうで。

一之輔 「遠くへ行かれてしまった」「変わっちゃった」みたいな声ですね。もちろん肯定的な言葉が多かったですが、SNSでの反応も含めると、そうした声が2割くらいありました。

ーー落語好きほど、この番組の捉え方は複雑なものがあるのかもしれませんね。

一之輔 僕も高校や大学の頃は「落語ってのは本当に面白いものなのに、なんで『笑点』の大喜利=落語と一面的に見られちゃうんだ!」と思っている面倒な落語ファンでした。だから落語家になってからも、「『笑点』に出られるような落語家目指して頑張ってください!」と言われたときはカチンときてましたね。

 その頃の先代の(三遊亭)圓楽師匠や(桂)歌丸師匠が出ていた『笑点』は、自分にはまだ遠い存在で、寄席によく出られていた(林家)こん平師匠以外は会う機会もない人たちでしたから。

ーーキャリアを積んで見方も変わったのでしょうか。

一之輔 全国を回るようになると「ありがたいものだ」と感じることは増えましたよね。僕のことも落語のこともよく知らない人たちも、『笑点』のおかげで「落語家は着物姿で座布団に座って扇子を持って喋る人」というイメージはみんなが持っている。もう50年以上、日曜の夕方の非常にいい時間に、落語家という生き物が世の中にいることを知らしめているんですから、すごい番組だと思います。

ーーただオファーがあったときは「一度考えさせてくれ」と返事をされたそうで。

■もう万引きもできなくなる!?

一之輔 僕は芸人なんで、そりゃ知名度が上がるのはありがたいですが、もう万引きもできなくなるじゃないですか。

ーーそもそも、万引きはしちゃダメですよ(笑)。

一之輔 もちろん、その反応込みでの言葉です! 阪急の福本豊さんが国民栄誉賞の話が持ち上がったときに「そんなものをもらったら、立ち小便もできなくなる」と言ったのと一緒で、「生活がしづらくなりそう」ってイメージですね。

ーーただ、『笑点』では、いつもの高座で感じるような殺気にも似たカッコよさより、自然体でリラックスして番組を楽しんでいるように見えました。

一之輔 『笑点』で本気を見せすぎたら、「こいつ、力が入ってるな」と思われちゃいますからね。僕は、どっちかというとダラッとしたような仁(雰囲気やキャラクター)なんで、基本的には素でやってますね。僕はふだんから人の悪口を言う口汚い人間で、不健康でねじくれた人間なので。

ーーラジオの喋りと全然、変わらない感じがしました(笑)。テレビへの出演は、そうした落語家としての“仁”をアピールするいい機会なのかもしれませんね。

一之輔 僕は自分をあまり面白い人間だとは思わないし、「人間として面白いと思ってほしい」とは思わないです。自分をごく常識的な人間だとも思っていますし。ただ、「面白けりゃいいじゃないか」という気持ちがどこかにあって、倫理的におかしなところはあるかもしれない(笑)。昭和のテレビで育った世代的なものかもしれませんけどね。

ーー高座に出ていて「『笑点』をきっかけに来たお客さんが増えた」という感覚はありますか?

一之輔 「『笑点』の人が出ているから見に来たという方、手を上げてください」と率直に聞くこともあるんですけど、堂々と手を挙げる人はほぼいない。10人くらいしか挙がらないので、「もっと、いるんじゃないかね⁉」と言ったりします。

ーーではお客さんの反応も以前と変わらないですか?

一之輔 最前列近くは早くからチケットを取っていた落語好きの人が多い雰囲気で、その人たちがふだん通りに笑うことで、会場を引っ張ってくれている印象です。僕は『笑点』に出たからといって自分の高座を変えてないし、これからも一切、変えるつもりはない。あと、まくらが『笑点』の話ばかりでも自分が飽きるんで、お客さんの期待は分かっていても、別の話をする意地悪をしたりします。

 インタビューの続きは3月27日発売の『週刊大衆』4月10日号で。

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