「セックス」と人前で言えない日本と、親の言いつけで進路を決めるモンゴル。映画『セールスガールの考現学』 (2/4ページ)

マイナビウーマン

店に来る客は恥ずかしそうに顔を隠している人も多く、モンゴルではまだ「セックス」という単語ひとつ、人前で言うのが憚られるようだ。

ここまで聞いて、なんとなく「自分の育った環境と似ているかも」とも思った人もいるかもしれない。たしかに日本の多様化は進んでいるけれど、実際に公衆の面前で「セックス」とは言わないし、言いづらいと感じる人も多いのではないだろうか。

それに、アダルトショップだってそう。都会には男女問わずいろいろな人が訪れるアダルトショップもあるけれど、地方に行くとアングラな雑居ビルに入っていることも多くて、女性が一人で入るにはかなり不安を感じる。モンゴルでのアダルトショップも、まだそういった立ち位置。

■世界の広さと幸せの多様性を知って、変わっていく女の子

アダルトショップで働きはじめて、サロールは変わっていく。まず、お店の中では普段言えないセクシャルな単語も、淡々と話すようになる。でも、性の話題が身近になっただけでは、彼女が変わることはなかったのかもしれない。ショップのオーナーであるカティアとの交流が、サロールの考え方を変えていく。

カティアは自身の夢を追いかけて叶えた過去があり、お金を持ち贅沢に暮らす中年女性。人生経験も、恋愛経験も豊富で、アダルトショップのことも「あれはポルノ店じゃない、薬局なの」と語る。カティアの中でのアダルトショップは、夫婦間に起こる問題を改善するためのかかりつけ薬局

性の話題に触れたって、その考え方が分からなければきっと、彼女の人生は変わらなかった。アダルトショップの中ではグッズの正式名称が言えても、それ以外の場所では慎ましく生きていたはずだ。でもそんなサロールのことを、カティアは「そんな人生つまらない」と一蹴する。そして彼女に「眉毛は整えるもの」「親の言いなりなんてナンセンス」と、アドバイスをする。

はじめの頃は、頑なだったサロール。自分のこれまでの生き様なんて、そうそう変わるものじゃない。だからカティアは、彼女をいろいろな場所に連れ出し、人生の楽しみ方を教えていく。

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