「セックス」と人前で言えない日本と、親の言いつけで進路を決めるモンゴル。映画『セールスガールの考現学』 (3/4ページ)

マイナビウーマン

来たことのないセクシーなスリップを着て、カティアの教えてくれる海外の知らない音楽で踊った時、初めてサロールの心が動く。眉毛を整えて、髪をセットして、メイクをしたら人生は変わるのかも。そんな期待が、サロールの外見を変えていく。

中年のカティアは「ぼんやりしていたら、時間はすぐに過ぎてしまう」ということも教えてくれる。どんどん垢抜けていくサロールは、年上のカティアにも心を開いていき、対等に接することができるようになる。内にこもっていた「陰キャ」のサロールに、社会性が芽生えていった瞬間だ。

私にもし、カティアのような存在がいたら。もっと若い頃から「変わること」を恐れず、自分の道を進むことができたかな。でも今「もっと早い頃に、この映画を見たかった」とも思わない。遅すぎるということはないし、人はいつでも変われる。そんな期待を持たせてくれるのが『セールスガールの考現学』だから。

■常識に縛られていたのは私だけじゃない、いつだって変われる

人生なんて怖くない、私らしく自由に生きる」。それが、この映画からのメッセージ。育った環境やこれまでの常識に縛られて苦しいのは私だけじゃないし、日本だけでもない。そんな共感とともに、映画を見終えると「私ももっと変わりたい」と前向きになれる。

アダルトショップという知らない世界に足を踏み入れたサロールと一緒に学べるのは「いろんな生き方がある」ことと「誰だって性に興味がある」ということ。それと、自由に生きた女性であるカティアがとても輝いていて、魅力的な女性だということ。

サロールに共感すると同時に、カティアを見て憧れを持つ自分もいた。私は私、そんな風に思えたら、外で「セックス」って言うのだって、きっとなんてことない話。

「アダルトショップで働く主人公」というだけで、尖ったテーマだなと思う人もいるかもしれない。でもそんなことはなくて、日本とちょっと似た部分のある国で日常を過ごす女の子が、少しずつ世間体から開放されていく、そんな話。女友達と見に行っても、恋人と見に行っても語りがいがある映画だ。

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