中小企業に人事評価制度は必要か?コンサルタントが語るその意味合い (4/4ページ)
モチベーションをマイナスにしない、あるいはマイナスだったモチベーションをゼロまで戻すというのが人事評価制度の一番の価値だと思います。ただ、繰り返しになりますがゼロ以上に高めることは期待してはいけません。
石川:逆に言えば、組織内で何か問題が起きるまでは人事評価制度なんて作る必要はないんですよ。大体20名前後が1回目の人事評価制度をつくるか検討すべきタイミングだと思います。そのあたりで経営者の目が届かなくなってくるので。
――作らないで問題がないのであれば、それに越したことはない。
白潟:そうです。私のクライアント企業で、従業員が150人いるのに人事評価制度なしという会社があります。そこの会社は全員5000円ずつ定期昇給があって、インセンティブ制度は別にある。それで問題が起こっていない以上、これで十分なんですよ。
石川:成果を出していてもいなくても、この会社でがんばっていれば定期昇給で給料は上がるという安心感があるでしょうし、成果を出せばインセンティブで賞与が出る。この2本立てで十分に組織は回るということですね。
――最後にお二人から、本書の読者となる中小企業の経営者やボードメンバーの方々にメッセージをいただければと思います。
白潟:とにかく誤解しないように、期待を持ちすぎないように、人事評価制度という「道具」を使っていただきたい、ということですね。
石川:人事評価制度を変えたくなったら、一度立ち止まってください、と伝えたいです。「人事評価制度を入れれば組織が変わるんじゃないか」とか「今の人事評価制度は何かおかしいんじゃないか」と思う時は、だいたいそこ以外に課題があります。
まずは組織にとっての本当の課題を考えてみて、それでも人事評価制度を入れた方がいい、あるいは今の人事評価制度を変えた方がいいと思ったなら、改めてこの制度の役割を知ったうえで、期待しすぎず、完璧なものを作ろうとせず、変え続ける前提で作りましょう、と言いたいですね。
(新刊JP編集部)