使用済みの紙おむつが建築用資材に。コンクリートやモルタルの砂の代わりになることが判明
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近い将来、建物用のコンクリートの材料に、紙おむつが使われるかもしれない。
日本の北九州市立大学の研究者によると、使用済みの紙おむつはコンクリートやモルタルの砂として使えるのだそうだ。
『Scientific Reports』(2023年5月18日付)に掲載された研究によると、平均的な平屋建ての住宅ならば、建物の性能はそのままに、コンクリートやモルタルの砂の8%を使用済み紙おむつで代用できるとのこと。
このユニークな方法は、低コスト住宅の建設に役立つだけでなく、年間数百万トンも捨てられている紙おむつ廃棄物の削減にもつながる、革新的な方法であるそうだ。
・使用済み紙おむつが建築資材の代用品に
使用済みの紙おむつで建材を作れるのは、その材料がコンクリートやモルタルに入れる砂の代用品としてピッタリだからだそうだ。
紙おむつの材料は、木材パルプ・綿・ビスコースレーヨン(化学繊維の1つ)・各種プラスチック(ポリエステル・ポリエチレン・ポリプロピレンなど)など。これが骨材としてイイ仕事をしてくれるのだ。
もちろん、紙おむつについたウンチなどをきちんと洗浄した上での話なので、部屋でくつろいでいたらどこからともなく嫌なニオイが、ということもない。
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・使用場所によって最大40%代用可
一般的なコンクリートは、セメント・砂・砂利・水を混ぜ合わせることで作る。
そこで北九州市立大学のシスワンチ・ズライダ(Siswanti Zuraida)氏らは、この砂の一部を、洗浄・乾燥してから粉々にした使用済み紙おむつで代用してみることにした。
いくつか割合を試し、それらの耐久性を比較することで、もっともコンクリートに適している配合を探し出す。
こうして出来上がったおむつコンクリートの性能は確かなものだったそうだ。
これを使ってインドネシアの標準的な住宅(36m2/約11坪)を建てた場合、コンクリートの砂のかなりの量をおむつで代用できることがわかったそうだ。
たとえば3階建て住宅の柱やハリの部分ならば最大10%、平屋建ての住宅なら最大27%を代用できる。
ただし代用できる割合は、コンクリートを使う部位によってかなり異なるようだ。
たとえば、間仕切り壁なら最大40%まで紙おむつで代用できる一方、床や庭の舗装なら9%程度だ。
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使用済み紙おむつが材料として使われている建物 / image credit:Siswanti Zuraida et al, 2023・使用済み紙おむつのゴミ削減にもつながる
これらを総合的に考えると、36m2の平屋の場合、コンクリートとモルタルの砂を最大8%まで紙おむつで代用できる。
これは捨てられる紙おむつ約1.7m3分に相当するそうなので、ごみの削減効果もかなりのものとなる。
ただし、これまでにない素材だけあって、紙おむつコンクリートを実際に利用するには、行政や廃棄物処理業者など、さまざまな関係者の協力が必要になる。
大量にある紙おむつを回収し、除菌や破砕などの処理を効率的に行う方法を確立しなければならないからだ。
また、紙おむつを建材として利用するためには、建築関連の法律も改正する必要があるとのことだ。
追記:(2023/05/24)タイトルを一部訂正して再送します。
References:Engineering: The house that diapers built | EurekAlert! / Used diapers can replace sand in concrete and mortar, study finds / written by hiroching / edited by / parumo
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