岩手の祭り屋台に並んでいた「黄色とピンクの丸いやつ」 謎のローカル菓子「たぐりあめ」ってナニモノ? (2/2ページ)

Jタウンネット

たぐりあめを作る村上秀雄さん(写真は村上さん提供)

村上さんによると、黄色とピンクの丸は薄いせんべい。話題の「たぐりあめ」はそのせんべいに、割り箸に付けたあめをせんべいで挟んでいる。かつては岩手県内のお祭りの定番の商品で、「30代以上の岩手の方ならご存知の方も多い」とのことだ。

もともとは、せんべいの中のあめが「たぐりあめ」。水あめに玉砂糖を入れて好みの硬さに仕上げたものだ。昔は桶にあめが入っていて、適量を"手繰っていた"ことから、たぐりあめの名前が付いたと言われているそう。

職人あめを容器から手繰っている様子。作っているのは村上秀雄さん(写真と付箋は村上さん提供)

他の地域にも「たぐりあめ」はあるが、村上さん曰くせんべいで挟むのは岩手特有らしい。

貴重なたぐりあめを初体験!

岩手県民に愛されたたぐりあめだが、今となっては作れる人が少なくなっている。コロナ禍など様々な理由で廃業していったというのだ。

そんななか今も「たぐりあめ」を作り続ける貴重な職人の1人が「あいさい舘」の組合員である村上秀雄さん。曽祖父の代から約90年近く続く屋号「飴屋」を継いでいる。岩手県内で行われるお祭りなどに出店を出しているほか、あいさい舘への出品も行っている。

今回、事務局長である村上さんと飴屋の村上さんがご厚意で東京にあるJタウンネット編集部にたぐりあめを送ってくれた。

たぐりあめ(2023年5月23日、Jタウンネット撮影)

初めてのたぐりあめ体験。パリッとしたせんべいと粘り気が強いあめのコンビネーションは、食べていて楽しい。わたあめのように優しくてシンプルな甘さで、初めてなのに「懐かしい」と感じられた。

強烈なインパクトがあるわけではないのだが、子供の頃の自分を思い出しておセンチになってしまった。オフィスじゃなかったら泣いていたかもしれない......。

童心に返らせてくれた「たぐりあめ」。村上さんの後継者は現在のところ不在だが、いつまでもこの味の歴史が続きますように......。

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