なぜ外科医は青色か緑色の手術着を着ているのか? (1/3ページ)

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なぜ外科医は青色か緑色の手術着を着ているのか?
なぜ外科医は青色か緑色の手術着を着ているのか?

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 外来患者を診察する医師は白衣を着ていることが多い。では手術をする医師は何色の衣服を身に着けているのだろう?

 テレビドラマなどの手術のシーンにみられるよう、手術着は世界各国で青色か緑色が着用されている。白衣を着ていても、手術時には青か緑色の上下の手術着に着替えるのだ。それはいったいなぜなのか?

 その理由に迫ってみよう。

・かつての手術着は白だった時代、外科医が青緑色の亡霊が見えると訴え
 かつて、手術着は清潔さの証である白だった。

 だが20世紀初頭、手術着が白色だったころ、手術中だったアメリカの外科医が「青緑色の亡霊が見える」と訴えた。

 これは亡霊ではなく、手術中に血液の赤い色を見つめていた医者が周りのスタッフに目を移したとき、白い手術着が青緑色に見える視覚効果によるものだ。

 人間の目は、長時間同じ色を見続けると視神経が疲れ、見ている色と反対の色を網膜上に作り出す生理機能が働く。

 これは「補色残像現象」と呼ばれており、赤い血の色を長時間見続けた結果、目を白いものに移したときに青緑色がちらつくという現象が起きたのだ。

 そこで影響力のある医師が、青緑色が溶け込んでしまう青や緑などの色のついた手術着に切り替えたという。

 緑色や青色は、色相環(色相の総体を順序立てて円環にして並べたもの)において、赤とは対局にあるため、補色残像現象が起こりにくいという。

 手術室の壁も青や緑色にする病院が多いのも同じ理由からだ。
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