DNA鑑定で明かされた一家の秘密。愛する父親はアメリカから逃亡した脱獄殺人犯だった (2/4ページ)
その後、アーノルドはハーディングと別れ、イリノイ州シカゴに向かい、恋人となった女性と結婚し、父親となりカリフォルニアに移住した。
ハーディングは1年以内に逮捕されたが、アーノルドはその後離婚し、1978年にニュージーランドへ、そして最終的にオーストラリアへと渡った。
そこでアーノルドは、ジョン・ヴィンセント・デイモンという偽の名でセールスマンとして働き、再び結婚し、子供をもうけ家族を養い、ごく普通に生活して、2010年に亡くなった。
家族は、アーノルドが孤児だったと信じていて、過去についてはなにも知らなかったという。
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・息子が自分のDNAを提出したことで父親の過去が明らかに
アーノルドの息子が自分のDNAを家系図データベースに提出していなかったら、立派な父親だと思われていたアーノルドの真の正体を知ることは永遠になかっただろう。
2020年、ネブラスカ州の副連邦保安官マシュー・ウェストオーバーが、アーノルドに関するこの未解決事件を引き継いだ。
「仲間のひとりが退職し、その際に事件を引き継がなくてはならなくなった。年月もたっているし、誰もがこの逃亡犯は見つかりっこないと思っている、冗談のような未解決事件が、わたしに回ってきたんだ」ウェストオーバーは語っている。
確かにアーノルドを見つけることはできなかった。だが、ウェストオーバーは、アーノルドの弟を見つけ出し、彼は進んで自分のDNAサンプルを提供してくれた。
ウェストオーバーは、アーノルドの息子がのちに、生物学的な父親を探すために提出したのと同じDNAデータベース機関に、アーノルドの弟のDNAを提出した。
そして、2022年、巡り巡って、ついに過去と現在がつながったのだ。