ロボットにセーターを着せることで触覚を与える新技術

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ロボットにセーターを着せることで触覚を与える新技術
ロボットにセーターを着せることで触覚を与える新技術

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 アメリカの研究者は今、せっせと産業用ロボットにのためにセーターを編んでいる。別にロボットが寒がりとかいうわけじゃない。「少~しも寒くないわ♪」と言わせるためにセーターを着せるわけじゃない。

 ロボットに特殊なセーターを着せることで触覚を持たせるのだ。

 ロボットは繊細でもあるし鈍感でもある。センサーでも搭載してやらない限り、彼らは何かにぶつかってもそれを感じられない。

 それでは周囲にある物を壊したり、下手すると人間に怪我をさせてしまう恐れがある。

 そこでカーネギーメロン大学の研究チームは「RobotSweater(ロボットセーター)」を開発した。ただ着せるだけで、ロボットに触れたことを感じさせることができるのだ。
 

・ロボットに触覚を与えるための特殊なセーター
 ロボットセーターは、3枚の素材でなるレイヤー(層)構造をしている。

 一番上と下の層は普通のナイロンで織られたもの。ただし、ちょっとした仕掛けがあって、その間に電気を流す金属繊維が縫い込まれている。

 上下の層では金属繊維が縫われている方向が違い、それぞれタテかヨコに縫われている。2枚をピッタリと合わせると、金属繊維が格子状になるような感じだ。

 それら2枚の間に挟まれているのが、もう1枚の層。こちらは電気を流さない網目のようなメッシュ層で、絶縁体としての役割を果たす。

 上下の層は、メッシュ層のおかげで普段はお互いに離れている。ところが、何かが当たったりして圧力が掛かると、メッシュの隙間のところで上下層が接触する。

 すると金属繊維の回路がつながって、電気信号が発生する。あとはこの信号を分析すれば、セーターのどの部分に圧力が加わっているのかチェックできる。

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ロボットセーターは3層のレイヤー構造になっている。圧力が加わると上下層が接触して電気信号が流れるので、これをもとに接触部位を特定する / image credit:Carnegie Mellon University

 つまり、これを産業用のロボットアームなどに着せておけば、何かが接触した瞬間(圧力を感じた瞬間)に動作を止めるといったことができるのだ。

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RobotSweater : Fabric Tactile Sensor "Skin"・セーターの上から触れることでロボットに特定の動作を訓練させることも
 その応用として、まるでスポーツのコーチが選手に触れて動きを指導するように、ロボットに触れて特定の動作を訓練させるなんてことも可能になるかもしれないという。

 他にも、ロボットセーターをスマホのタッチスクリーン代わりにして、指でスワイプしたりピンチしたり、さまざまなコマンド入力をする方法も検証されている。

 ロボットセンサーは本物のセーターのように柔らかく柔軟な素材でできているため、従来の硬いセンサーが取り付けられない複雑な形状の部分に使えるなんて長所もあるそうだ。

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 そして、いつかは触れることでロボットに愛を伝えられるようにもなるかもしれない。

References:Sweater-Wrapped Robots Can Feel and React to Human Touch / written by hiroching / edited by / parumo



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