「衰退のはじまり」か「成長のための踊り場」か GAFAMの人員削減が意味するもの (2/2ページ)

新刊JP

しかし、本書は業績の停滞や人員削減といった直近のニュースのみから「ビッグ・テックの終焉」を語るのは早計ではないかと疑問を呈している。業績の停滞でいえば、パソコンやスマホ、オンラインサービスの需要が激増したコロナ禍の期間が「特需」だったのであって、それが終わったからといって、GAFAMの技術力や創造性が失われたわけではない。グーグルの親会社であるアルファベットのCEOサンダー・ピチャイが認めているように、コロナ禍の需要の急増に対応するために人員を増やし過剰な設備投資を行った結果、大規模な人員削減をせざるを得なくなったと考えると、経営上の不手際の誹りは免れないが、現在の状況は強烈な追い風が去って、通常の状態に戻っただけとも言える。

また、チャットGPTと検索サービスのBingを融合させたマイクロソフトや、メタバースの分野で世界をリードするメタなど、最新技術・サービスで依然ビッグ・テックの存在感は大きい。GAFAMのいずれかがこの分野でイノベーションを起こす可能性もある。少なくとも2022年の売り上げだけで「ビッグ・テックに冬の時代が到来した」と断じるのは早計だろう。

『GAFAM+テスラ 帝国の存亡』はGAFAMに加え、先進性と技術力でこれらの企業に引けをとらないテスラを加えた6社の現状と戦略、将来の展望を解説していく。全世界にユーザーを抱えるビッグ・テック各社の動向を知ることは、今後の世界を見通すために大いに役立つはず。

彼らが今何を考え、何を仕掛けていこうとしているのか。本書からは表面的なニュースからはわからない真の知見が得られるはずだ。

(新刊JP編集部)

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